ホワイトスペースのテストが完了

FCCはホワイトスペース利用のフィールドテストを完了させた(2008年8月号「ホワイトスペースのフィールドテスト」参照)。ホワイトスペースとはデジタルTV放送のでのチャンネル同士の干渉を無くすために明けてあるチャンネル帯域で、この帯域をライセンス無しで使えるようにする動きがある。これを押しているのはMicrosoft、Google等のコンピュータ会社で、放送事業者は放送への妨害を恐れて反対をしている。ライセンス無しでこの帯域を使えるようにする為の鍵は、特定のチャンネルが利用されているかを検知する技術である。
テレビ放送だけであれば、それほど困難な事ではないが、VHF帯はワイアレス・マイクでも使われている。ワイアレス・マイクを利用しているスポーツ中継、劇場等も、ホワイトスペースの利用には懸念を示してきた。これまでのFCCのテストは研究所内で行われてきたが、今回、7月14日から4週間行われたテストは実際の環境で行われた。特に注目されていたのが、8月9日のワシントンDCでのNFLの試合中と、12日のブロードウェイでのPhantom of the Opera上演中のテストであった。テストにはPhilipsとInstitute for Infocomm Researchが提供した2つの無線の使用を検知するデバイスのプロトタイプが試された。テストは、マイクが使われていない状況でのTV放送の有無のみの検知、それに無線マイクを使用時の無線マイクの有無の検知のテストが行われた。
テストの詳しい結果は発表されていないが、テストに参加したマイクロフォン・ベンダーのShure社のスポークスマンによると、Philipsの機器は無線マイクが使われていない時点で、その帯域を使用不可能として、マイクの電源を入れても結果は同じであった。IIRのデバイスはマイクがオフの状況で、その帯域を使用可能と判断したが、スイッチを入れてもマイクを検知する事が出来ず、使用可能と判断し続けた。
放送産業側のMSTV(Maximum Service Television)は、これらデバイスの信頼性は無く、テストは失敗だったと発表した。しかし、Microsoft、Dell、Google等がメンバーのWhite Space Coalitionは、Philipsのデバイスは使うことが出来ない帯域を使えないと判断し、テストはうまくいったと発表している。
議会はFCCに対して、この決定を早くするようにプレッシャーを与えている。FCCはホワイトスペースを使う通信デバイスと無線マイクを含む低出力補助局との共存は不可能と判断し、700 MHz帯での低出力補助局を禁止する提案を行っている。現在、943の低出力補助局が認可されており、その内、156が700 MHz帯の利用許可を得ている。しかし、この内、614 MHz~805 MHzだけの許可しか持たないのは30局だけであり、その他は他の帯域が使えるので、インパクトは少ないとFCCは語っている。
しかし、認可されている利用者以外に、数多くの未許可の違法な無線マイク利用者も多い。FCCはワイアレスマイクの利用は21~51チャンネルに限定し、52から69チャンネルでは低出力補助局を禁止し、ホワイトスペースでの無線通信を許す事も検討しているが、MSTVはワイアレス・マイクの利用可能な帯域を減らせば、使える帯域での相互干渉が増加し、問題が出ると、これに反対している。マイクロフォンベンダーのShureは700 MHz帯を使った無線マイクの製造は、2007年で終了させている。