デジタル移行の課題

2009年2月17日のアナログ地上波放送の終了に向け,多チャンネルサービスに加入していない約2000万の世帯がデジタル・アナログコンバーターを購入する事を支援する目的で15億ドルの予算が計上されている。この予算を使い,40ドルのクーポンが配られるのだが,それをいかにフェアに配給するかが大きな議論になって来た。このクーポンの配給を担当しているNational Telecommunications and Information Administration(NTIA)は2008年1月1日からクーポンの提供を始め,1世帯に対して最大2つのクーポンの利用を認め,プログラムを2009年3月31日に完了させることを提案しているが,新たな課題が登場している。この問題は販売価格が約50ドルになると想定されているコンバーターの技術要求である。NTIAはA/74と呼ばれるガイドラインを採用する事を提案した。これに対して通常は仲が悪い,放送業界代表のNational Association of Broadcasters(NAB),Maximum Service Television,と家電ベンダー代表のConsumer Electronic Association(CEA)が協力し,反対を訴えている。A/74は正式な規格では無く,さらに2年前の物である。放送事業者はこのコンバーターが必要になる世帯は低収入層であり,受信環境は悪いと思われ,最新のレシーバー技術を使ったコンバーターで無ければ役に立たないと言う。コンバーターが購入されても,デジタル放送が受信出来なくては放送業界は困る。CEAは別の事を心配している。適当な規格無しにコンバーターの販売が可能になった場合,劣る技術を使った製品を安く提供し,儲ける事業者が出てくる事を避けるために,実現可能な高いレベルを規格として採用する事を求めている。このコンバーターの本格的な出荷を2008年中旬とした場合,開発サイクルを考慮すると2007年の初めにはコンバーターの規格が出来ている必要がある。