多チャンネル事業者、多チャンネルネットワークはコードカッティング(多チャンネルサービスからの脱会)が起きている事を否定しているが、スポーツ専門の多チャンネルネットワークのESPN(Disneyの子会社)も、コードカッティングは起きていないとの見解を発表した。ESPNがNielsen社の過去3ヶ月間のデータを使って行った分析によると、ブロードバンドサービスを継続し、マルチチャンネルサービスだけを止めた世帯は、全体の0.28%でしかなかった。同じ時期に、これまでは地上波受信のみの世帯で、新たに多チャンネルとブロードバンドの両方に加入した世帯は0.17%あった。その為、実際のコードカッティング率は0.11%でしかなく、多チャンネルサービスを止め、ブロードバンドビデオに移行するトレンドは無いと結論付けている。
コードカッティングが行われているかは、はっきりと分からないが、その本来の意味である、ケーブルTV離れが進んでいる事は事実である。DBSの登場以来、ケーブルTVは加入世帯を失っているが、その動きは最近特に激しい。テレビ広告産業団体のTelevision Bureau of AdvertisingがNielsenのデータを使って行った分析によると、TV世帯におけるケーブルTV加入者のシェアは2010年11月で60%に減り、一部のDMA(Designated Market Area: TV市場区域)では、ケーブルTV以外の多チャンネルサービスのシェアがケーブルTVを上回っている。
このトレンドは、人口が大きなDMAより、小さいDMAで強い。DMA 1位~50位の中で、ケーブルTVのシェアが最も少ないのはアルバカーキ/サンタフェで、多チャンネルサービスへの加入率が83.6%で、ケーブルTVが39.4%、その他の多チャンネルサービスが44.6%であった。これに対して、DMA 112位のボイジ(アイダホ)では、多チャンネルサービスへの加入率は70.8%で、ケーブルTVは24.1%に対して、その他が46.9%で、2倍近い比率であった。ケーブルTVとその他への加入率が合計を上回っている理由は、1つの世帯で両方のサービスに加入してる場合もあるからである。
人口が小さなDMAでケーブルTV離れが進んでいる理由は、人口が少ない地域のケーブルTV事業者は大手事業者系列ではなく、システムが古く、衛星事業者に対抗するチャンネル数、あるいはブロードバンドサービスを提供する事が出来ない為と思われる。
ケーブルTVのシェアが少ないDMAのトップ10をDMAの1位から50位、51位から100位、101位以後(DMAは210まで)のそれそれでリストする。表の数字の内、左3列はTV視聴世帯における多チャンネルサービス、ケーブルTV、その他の加入率。右2列は多チャンネルサービスにおけるケーブルTVとその他のシェアである。ADSはAlternative Delivery Systemの略で、ケーブルTV以外の多チャンネルサービス伝送方法の意味である。
