Disney、WBD、Foxのスポーツ配信JV

Disney、Warner Bros. Discovery、Foxの3社はスポーツ試合をストリーミングするためのJVの設立を発表した。現在、3社が多チャンネル向けのネットワークで放送している試合とスポーツ関連番組をストリーミングする。DisneyのESPN+のように多チャンネルサービスでは放送されていない試合を配信するのではなく、テレビ放送される試合を同時配信する。これにより、多チャンネルサービスに加入することなく、スポーツ試合を見ることが可能になる。

Diamond Sportsは再建可能か

地域スポーツネットワーク(RSN)のBally Sportsを運営するDiamond SportsはAmazonからの$1.15億の投資で会社を再建しようとしているが、Major Baseball League(MLB)は2025年には独自のストリーミング・サービスを開始し、RSNとの契約は2025年からは更新しない考えを発表した。MLBのコミッショナー、マンフレッド氏によると、約半数の球団の支持があり、全球団からの支持は不可能ではない。Diamond SportsはBally Sportsのサービス地域にあるMLB、NBA、NHLのチームの2024年の放送権は得ている。しかし、NBAは2025年にはNFLのSunday Ticketsのようなリーグでのストリーミング・サービスの開始を予定しており、MLBもこれに続くと、Diamond Sportsの存在価値は2024年シーズンで終わることになる。

授賞式番組視聴は復活しているのか

2016年には3440万人の視聴があったオスカー授賞式の放送は、2021年には3分の1の1040万人に落ちた。他の授賞式番組の視聴者も減り、テレビ離れと共に授賞式番組もなくなっていくとの予想が出始めた。オスカーの視聴者は2023年には1880万人に増えるが、悲観的な声は消えなかった。ゴールデングローブ賞は2022年はボイコットによりキャンセルされ、2023年の視聴者は630万で、2021年の690万を下回ったが、今年の1月7日に開催された授賞式の視聴者は940万に増えた。

WalmartがVizioを買収

小売大手のWalmartが低価格のスマートTVベンダーのVizioを$23億で買収した。Vizioは2002年に設立されテレビメーカーで、低価格のHDTVを売ることで大成功し、一時はアメリカ最大のTVメーカーになった。Vizioは2021年にIPOを行い、それで得た資金を使い、ハードウェアベンダーからサービス事業者にピボットをしている。Vizioの戦略はRokuと同じで、スマートTVを安く売り、ユーザベースを広げ、広告等のプラットフォームからの収入で儲けるものである。同社はRoku Channelに対抗するFASTサービスのWatchFreeを持ち、そのTV OSのSmartCastのアクティブアカウント数は1800万になっている。Vizioは2015年に自動コンテンツ認識(ACR)のCognitive Media Networksを買収し、InscapeとしてスマートTVから得た視聴データの提供もしている。Inscapeはネットワーク、広告主等に視聴データを販売する以外、iSpot.tv、Nielsen、VideoAmp等にライセンスしており、新しいカレンシーのビッグデータの一部として使われている。

PeacockとParamount+が統合?

Disney、WBD、Foxのスポーツ配信のJVに対して、FoxのCEOは組織はオープンではなく、他のネットワークの参加は無いと発言している。もしも、他のネットワークも含めた場合、ほぼ確実に独禁法に触れることになるであろう。残されたNBCUniversalとParamount GlobalはPeacockとParamount+を統合する話し合いを開始したとWall Street Journalが報じた。両者は欧州向けのストリーミングサービスではすでに協力しており、SkyShowtimeを2021年に始めている。