Redbox Instantはなぜ失敗したのか

Redbox Instantの新規申し込みが4ヶ月前から出来なくなっている事で、サービスの中止が予想されていたが、10月7日でVerizonとOuterwall(Redboxの親会社)のストリーミングビデオサービスは終わりになった。DVDのレンタルを自動キオスクで行い大成功したRedboxと、大手通信事業者のVerizonのジョイント・ベンチャーである事からRedbox Instantは大きなNetflixへの競合になると思われていたが2年しか持たなかった。

2013年4月にスタートしたRedbox InstantはNetflixの様に月額$8のSVODだけでなく、レンタル(トランザクショナルVOD)、デジタル購入も出来るだけでなく、VODで提供されていない映画はディスクでキオスクで借りる予約も出来ると言う、便利なサービスであった。しかし、Redbox Instantはチャーンに悩まされ、加入者を引き留め得る事が出来なかった。加入者数は発表されていないが、100万人以下であったと推測されている。

Redbox Instantが成功しなかった理由は複数あるが、大きな理由はその位置付けが不明瞭であった事だ。Redboxのキオスクの利用者は3000万人以上であり、Redbox Instantはその層を狙った。月額$8の価格には、キオスクで毎月4枚のDVDレンタルも含まれていた。しかし、Netflix、Amazon Instant Video、iTune、Google Play等、多くのオンデマンドのサービスがあるのに、キオスクでDVDを借りているのは、ストリーミングビデオを利用出来ない(したくない)人たちである。これの人に、Redbox Instantをアピールする事は無理である。

また、Redbox InstantはSVOD、TVOD、EST(デジタル購入)、それにキオスクでのレンタル予約までなんでも出来るサービスであったが、その本質は何かが見えて来なかった。Netflixに対向するSVODが基本なのか、Vuduの競合なのか、あるいはRedboxキオスクの追加サービスであったのか? サービスの領域が明瞭でない事から、利用者を混乱させた。SVODのつもりで検索すると、探した映画はTVODであることが分かり、別途料金を請求されると騙された気持ちになる。さらにいつの間にか、キオスクでのディスクレンタル予約のページ飛ばされると、利用者は混乱する。

SVODのサービスとして、Redbox InstantがNetflix、あるいはAmazon Prime Instantと違っていた点は、映画主体で、テレビドラマ無かった事である。RedboxのDVDレンタル自体が映画であり、その契約上の理由でテレビドラマが無かったのか、あるいはVerizonはFiOS TVでテレビ番組を配信しているので、共食いを恐れたのかは分からない。しかし、テレビドラマが無かった事がチャーンを増やした。数年間続いたテレビドラマを見始めると、Binge視聴をしてもすべて見終わるまでに数ヶ月間はかかる。しかし、コンテンツが映画だけだと継続性が無く、毎回見たい物を探す必要があり、見つからないと脱退が増える。

調査会社のPark Associatesによると、SVODサービスへの加入者の30%はTVODも使い、20%はビデオのデジタル購入もしている。Redbox Instantは1つのサイトですべてが出来るサービスとして、成功をする可能性もあった。しかし、Verizon、Outerwall共にそれぞれの事業を持ち、Redbox Instantに対する情熱が無かったのであろう。Redbox Instantをいかに変身させ、成功するかを考えるのではなく、2年で降参をする事になった。