テレビメーカーは放送局の競合か

放送局所有会社のコンソーシアムのPearl TVはFCCに対して、テレビメーカーは放送局の競合であることから、CTAによるATSC 3.0チューナ搭載義務に対する反対意見は利益相反になるので対応しないことを求めている。

ATSC 3.0視聴可能世帯は76%に達しているが、実際に視聴している世帯は数%でしかない。理由の1つはATSC 3.0チューナ搭載義務はなく、搭載されているのはハイエンドのモデルだけだからである。放送局を代表するNABはATSC 3.0への移行を進めるために、現行の1.0の終了、そしてATSC 3.0チューナの義務化を求めている。

放送局事業者のFASTサービス

ニュース番組を制作しているローカル局はFASTサービス向けのニュースチャンネルを持っている。300以上のFAST向けのローカルニュースのチャンネルがあり、全米の殆どの地域のニュースが視聴可能になってる。アメリカの世帯の殆どは地上波アンテナを付けていないので、コードカッティングすると地上波のローカルニュースも見ることが出来なくなり、FASTのローカルニュースのチャンネルに頼ることになる。

FASTチャンネルのプレイアウトのサービスを提供してるAmagiによると、アメリカにおける2021年Q3のFAST視聴時間に占めるニュースチャンネルの割合は36%で、エンターテインメント系チャンネルの30%よりも多く、ナンバーワンのジャンルであった。2024年Q2でのニュースチャンネルのシェアは27%ある。

FASTのユニークチャンネル数は1911個

StreamTRAK社によると、FASTサービスにおけるユニークチャンネル数は1911個あり、最も多くのチャンネルがあるサービスはAmazonのPrime Live TVで674チャンネルがある。StreamTRAKのチャンネル数のグラフにある16のFASTサービス以外も存在するが、提供している会社はAmazon、Roku、Samsung等のCTV向プラットフォームが最も多い。チャンネル数では2位のPlexはメディアサーバー・ソフトウェアの会社であり、CTVプラットフォームに加えることも出来る。

過去のコンテンツを救うFASTチャンネル

ストリーミングでのVODは過去のテレビ番組を再利用するサービスとして期待された。Netflixがスタートした時点のコンテンツの殆どは数年前のTVネットワーク番組であった。HBO Max、Peacock等のTVネットワークのSVODサービス開始時には60年代の番組も含まれていた。しかし、Netflixはオリジナル番組に進み、TVネットワークのSVODからも古い番組は消えている。

Google TVレイオフの背景

GoogleはAndroid TVとGoogle TVの予算を10%削減し、チームに所属する約300人の社員の25%をレイオフする。TV OSからの撤退ではなく、年内までにGeminiを導入した新しいGoogle TVを発表するが、なぜTV OSの予算を減らすのか。

Android TVは多チャンネルサービスのSTB向けOSとしては成功をしたが、スマートTV向けのGoogle TVでの成功は限られている。アメリカではRoku、Samsung(Tizen)、Fire TVが65%のシェアを持ち、Google TVとChromecastの合計シェアは8%程度である。世界的でも6%のシェアでしかない。