Layer3 TVがシカゴ、ワシントンDCでサービスを開始した。Layer3 TVは自らは回線を持たないので、ケーブルTVとは違う。回線はブロードバンドであるが、契約した事業者の回線に限られていおり、専用のSTBがあるので、Sling TVの様なOTT多チャンネルサービスとも違う。また、テストとしてスタートしたテキサスとワシントンDCでは内容も異なり、Layer 3のビジネスモデルは把握しにくい。
テキサス(ミッドランド市とキングウッド市)でLayer 3が提供しているUmioサービスでは回線はSuddenlink(Altice USA)から借りている。サービス料金は回線込であり、通常のケーブルTVの契約と類似している。しかし、ワシントンDCのLayer3 TVのサービスには回線は含まれていない。加入者は別途、ブロードバンドサービスに加入する必要がある。しかし、利用可能なブロードバンドサービスは限られており、ワシントンDCではComcastとCoxが指定されている。Layer3 TVはComcastとCoxと契約し、回線利用料を払い、ある程度の帯域保証を得ている様である。ComcastとCoxがLayer3 TVのトラフィックを優先しているのであれば、ネットワーク中立性規制に触れる可能性があるが、IPTVとしての回線リース契約があれば問題はないかも知れない。
Layer3 TVのサービスは初めて多チャンネルサービスに加入する人を狙ったSling TV等とは異なり、ハイエンドのサービスである。200以上のチャンネルがあり、同時に8番組が録画可能である。STBは4K対応である。4K番組はまだ提供されていないが、Layer3のSTBはアップコンバータ内蔵で、4K TVをつなぐとHDを4Kにアップコンする。また、Netflix、Hulu等のVODサービスのアプリを走らせることも可能の様だが、アプリはまだ提供されていない。
Layer3 TVは自社で回線を持たないので、どこの地域でも参入する事が出来るが、その地域のブロードバンド事業者と契約する必要がある。ブロードバンド事業者の殆どは多チャンネルサービスを提供しており、競合するLayer3 TVに協力するメリットは何か?
人口が少ない地域の中小規模の多チャンネルサービス事業者は衛星放送に加入者を奪われ、多チャンネルサービスの採算性は悪い。ブロードバンドに専念し、多チャンネルサービスはLayer3 TVに任せた方が効率的かも知れない。テキサスでのサービスはこのテストの様である。Layer3 TVは$1億以上の投資を得ているが、その投資家の中にはSuddenlinkとCablevisionを買収しているAltice USAが含まれている。
大きな都市ではComcast、Charter等の大手がブロードバンドを提供している。自社のサービスと競合するLayer3 TVと協力するメリットは少ない。しかし、市場を独占する事は不可能であり、競合が無くなる事はない。ある程度の市場は取られる事になるが、Layer3 TVであれば、ブロードバンド料金は無くならず、Layer3からは回線利用料が入る。しかし、Layer3 TVはコンテンツ料を払い、ブロードバンド事業者には回線利用料を払い、マージンは低いと思われ、成功するのは難しそうである。
