ケーブルTV事業者はいずれはHFC(Hybrid Fiber Coax)から光ファイバー(FTTH)に移行する必要があり、DOCSISは延命策でしか無いと言われてきた。Altice USAの様に光への移行にコミットした事業者もあるが、殆どの事業者はすぐには光にスイッチする予定は無い。逆に、最近では光ファイバーに移行する事無く、HFCでブロードバンドの高速化をするめることへの関心が増している。
FTTHへの移行が必要と言われてきた理由はさらに多くのチャンネルと、より高速なブロードバンドの両者を提供するためである。現在では、放送向けにさらに多くのチャンネル容量を確保することへのニーズは無くなっている。ケーブルTVの将来は500チャンネルのサービスとの考えは消え、ビデオサービスはオンデマンドの方向に進んでいる。これ以上にリニアチャンネルを増やす要求は無くなっていおり、逆にリニアチャンネルは減少の方向にある。
リニアチャンネルは減り、主要ネットワーク以外ではコンテンツの配信方法はリニア放送からオンデマンドに移行する方向にある。ビデオチャンネルがこれ以上増えないのであれば、その容量はブロードバンドをさらに高速化する事に使える。すでにComcast等はDOCSIS 3.1を使いギガビットのサービスを始めている。
ケーブルモデムの弱点は上流速度である。これに対して、上りに使われている帯域を現在の5 MHzから増やす動きがある。Comcastは42 MHz、あるいは85 MHzに帯域を増やす事を検討している。上流を200 MHzまで増やすことを検討している事業者もある。さらなる動きとして、CableLabsはケーブルモデムを全二重通信にするFull Duplex(FDX)規格の開発を始めている。DFXはシンメトリカルな10 Gbpsのサービスが可能にする。FDXは全く新たな規格ではなく、DOCSIS 3.1のアップデートとして実現する予定である。
光ファイバー移行の最大の課題はそのコストである。国土の広いアメリカではそのコストは特に大きな問題になる。AT&T、Verizon共に光ファイバー化を始めた時点では、そのコストの回収は収益が高いビデオサービスに頼る考えであった。しかし、多チャンネルサービスの市場を奪うことは用意ではなく、AT&TもVerizonもFTTHを拡大する事はあきらめている。ケーブルTV事業者のビデオサービスへの加入者も減少をしており、FTTH化をしてもその投資回収は難しく、HFCを使い続ける事への関心が増している。
