FoxはComcastよりDisneyを好む

ComcastはDisneyと同様にFoxの資産買収を狙っている。しかし、AT&TのTime Warner買収の許可がおりなければ、Foxを得られる可能性は無い。AT&T同様に多チャンネルサービス事業者であり、すでにNBCUniversalを持っているComcastがさらにFoxも得る事が許可されるはずはない。Disneyが買収しようとしているのは映画会社の20th Century Fox、多チャンネルサービス向けネットワークのFX、National Geography等、地域スタッフネットワーク、Huluの持ち株(30%)、それにイギリスの多チャンネルサービス事業者のSkyを含めた海外事業である。

ComcastはDisneyのFox買収の妨害策として、Sky買収を4月に発表した。FoxはSkyの39%を持っており、DisneyがFox買収以前にFoxがSkyの残り株を買い、Disneyに渡す予定である。Comcastは295億でSky買収をオファーした。FoxはSkyの61%を$157億で買収予定であったので、Comcastの提示額は15%高いことになる。Comcastは欧州参入の為にSkyを求めており、さらにSky資産の行き先が不明瞭なくなることで、DisneyとFoxの合意を遅らせることも出来る。

Foxの株主がDisneyの買収提案を採決するのは7月10日であるが、それを遅らせる策は必要なく、6月12日にAT&Tに対する司法決定が出た。Comcastはその翌日にFox資産を現金$650億で買うことをオファーした。Disneyの最初のFoxに対する提示額は$524億であったが、ComcastはSkyを別途買収予定なので、その分を引くとComcastの提示は20%近くも高く、さらにDisneyは株での買収であるのに対して、Comcastは現金である。

これに対するDisneyの対抗策は2つ。1つはSkyのニュース部門を別に買収し、1年毎に$1300万ドルを15年間投資する事である。DisneyはSky Newsの買収額(未公開)と別に、15年間で$20億をSky Newsに投資する訳である。Sky Newsは赤字で、その年間予算は$1200万ドルと推定されている。イギリス政府はSkyの買収は、相手がFox/DisneyでもComcastでも反対はしないと決めているが、赤字のSky Newsを救うことでDisneyは優位に立とうとしている。

もう1つの対策はFoxの買収額を$713億に増やし、Disney株だけでなく、現金を希望する株主には現金を払うことである。Foxは売り先としては、Comcastを警戒し、Disneyを好ましく思っている。このDisneyの提案が提示がされた翌日の6月21日にはFox社としてはDisneyを選ぶことを発表した。しかし、最終決定をするのは株主であり、Foxは株主に対してはComcastによる買収は司法省の反対がある可能性が高いのに対して、Disneyの場合は問題は少ないとの通知をした。

Foxの通知の通り、司法省は6月27日にDisneyよるFox資産の買収を基本的に認めた。問題が指摘されたのはアメリカで最大のスポーツネットワークのESPNを持つDisneyがFoxの22の地域スポーツネットワークも得る事だが、Disneyは買収から90日以内にこれらを売却することに合意した。新しく始めたOTTサービスのESPN+の為にFoxの地域スポーツネットワークは魅力的であるが、より重要なのはFoxの映画、FX等のTV番組、それにSkyである。また、DisneyがすべてのFoxの地域スポーツネットワークを得られない可能性もある。MLBのNY Yankeesが20%株主で、Yankees以外にNBAの Brooklyn NetsとMLSの New York City FC の放送をしているYES(Yankees Entertainment and Sports)NetworkはDisneyへの売却を拒否しており、株を買い上げてスピンオフすることを宣言していた。

Foxの株主会議は7月10日に開かれ、Disneyが選ばれた場合、DisneyはFox買収を決定する株主会議を7月27日に行う。