FCCのWheeler委員長は2月にSTBのオープン化を行うための規制案を発表した(The Compass 3月号参照)。STBを標準規格化し、消費者が購入する事を可能にする事は20年前の1996年通信法に含まれているが、まだ実現していない。STBのレンタル料は年$200以上であり、加入者2200万世帯のComcastであればレンタル収入は$40億になり、事業者からの反対は強い。ケーブルTVのSTB向けの標準規格とし、OpenCABLEが作られたが、成功しなかった。
「Unlock the Box」と呼ばれている新たな規制案はケーブルTVだけでなく、多チャネルサービス全体を対象とする。前回の様にハードウェアの標準規格を決めるだけでなく、多チャネルサービス事業者がSTB提供者に対して下記を提供する事も求めている。
- サービスのディスカバリー: どのコンテンツが提供されているの情報
- カスタマーの権利: 加入しているサービスでどのコンテンツにアクセス可能であり、それをいかに利用可能か(例えば、使えるデバイス、利用可能地域、録画可能)の情報
- コンテンツ: 実際のコンテンツ
これによりSTBを箱として売るだけでなく、独自のUIを持ったサービスを第3者が提供する事が可能になる。しかし、これは多チャネルサービス事業者の独自性を奪うものであり、反対は大きい。
FCCの規制案に対して、NCTAはサービスの提供をアプリ化する事でSTBを不要にする「Ditch the Box」と呼ばれる代案を提案している。QAM以外に並行でIPベース(HTML5)での配信を行い、通常のストリーミング・プレーヤで多チャネルサービスの視聴を可能にする。すでにComcast、TWC等がタブレット等からサービスを利用可能にしているが、それをより広く提供する考えである。NCTAの提案は下記を含む。
- 加入者100万世帯以上の多チャネルサービス事業者は2年以内にアプリを開発する
- アプリはHTML5、あるいはその後続規格をベースにする
- オープン規格であり、スマートTV、他のコネクテッドTVで多チャネルサービスが利用可能になる
- アプリは事業者が提供するリニア放送とオンデマンド配信の両方に対応
- アプリは事業者が提供するUIを使う
- 事業者はデバイスメーカーが利用者に対してアプリを無償で提供する限り、アプリのライセンス料は無料にする
- コンテンツの検索はアプリ外からも可能だが、再生はアプリ内で行う。
FCCの案を支持しているINCOMPASSグループのGoogleはNCTAの提案ではサードパーティー製のデバイスでの検索が制限されるとし、4つの大きな欠陥があると語っている。
- 革新的で、独自なUIを提供する方法
- 最低でもCableCRADが可能にした機能
- 他の多チャネルサービス事業者との互換性
- 著作権の保護
