ComcastもケーブルTV離れ

多チャンネルサービスへの加入者が減る中、いくつかの小規模なケーブルTV事業者はケーブルTVサービスから撤退し、ブロードバンドに専念をしている。中小ケーブルTV事業者の団体のACA Connectsも、これまでの会員条件はケーブルTV事業事業者のみであったが、ケーブルTVを止める事業者が出ていることから、ブロードバンド事業者も会員に受付ている。

ケーブルTV最大手のComcastもブロードバンドへの加入者はケーブルTV加入者の1.5倍になり、主軸はブロードバンドになっている。しかし、ComcastはまだケーブルTVサービスを切り捨てることは出来ない。それは、ブロードバンドサービスでは付加収入を得る機会が少ないためである。ケーブルTVでは事業者と加入者の関係が近く、様々な付加収入の機会がある。ケーブルTVサービス自体でも有料チャンネル、PPV、VOD等の収入オプションがある。さらに、ケーブルTV加入者にスマートホーム、モバイル通信などの他のサービスの販売も出来る。多チャンネルサービスの加入者は減っても、加入者から得る収入は多い。

これに対してブロードバンドは「パイプ」の提供である、加入者と接する機会が少なく、付加収入を得るのが難しい。Comcastはこの問題の解決として、Flexと言うストリーミング・プレーヤーを同社のブロードバンド加入者に無料で提供し始めた。Flexにより、Comcastのブロードバンドサービスにしか加入していない世帯でも「STB」を置き、ビデオサービスを提供することが出来、クライアントとの距離を縮める事が出来る。さらに、ComcastはSVODのPeacockもFlex利用者には無料で提供で提供している。

Peacockにはライブスポーツを含めた、リニアチャンネルがあり、ケーブルTVと似た体験を得られる。さらに、Flex上でも多チャンネルサービスのチャンネルを見たい人のために、先月からDishのvMVPDサービス、Sling TVも利用可能にした。Sling TVはX1でも利用可能であったが、ケーブルTV利用者にはvMVPDに加入する必要性はなく、Sling TVの国際チャンネルを提供する為であった。Dishとの新しい契約では、Sling TVのvMVPDサービス自体がFlexで利用可能なった。Flexから直接Sling TVに加入する事も出来る。

FlexでvMVPDの加入出来るようになり、FlexとX1の差は無くなっている。X1ではケーブルTVはQAM、VODはIPのハイブリッド式であるのに対して、FlexはすべてがIPである違いだけで、視聴可能なチャンネル、コンテンツは同じになる。Flexの導入台数はまだ100万台程度と少ないが、設置台数が増えればComcastもケーブルTV離れをする事が出来る。