ComcastはGEとジョイントベンチャーを作り、NBC Universal(NBCU)の51%を得る計画を発表した、NBCUは現在、GEとVivendiが共同で持っている。GEは Vivendiの持つNBCU株を買い取り、Comcastは同社のコンテンツ資産、現金を加え、NBCUを保有するジョイントベンチャーを作る。ジョイントベンチャーはComcastが51%、GEが49%を保有する事になる。
このジョイントベンチャーにはFCCと司法省の許可が必要になるが、現実化すると、コンテンツ、そして、それを配信する、地上波ネットワーク、地上波局、多チャンネルネットワーク、それに多チャンネルサービス、ブロードバンドサービスを持つ巨人が誕生する。
このJVの背景には大きな変化をしているコンテンツ・メディア市場がある。これまで、Universal等のメジャースタジオは(規制の許す範囲で)そのコンテンツの流通をコントロールする事で、その地位を確保してきた。NBCがUniversalと合併したのは、放送コンテンツの流通のコントロールの為である。この合併により、NBCUはコンテンツ制作(Universal)、地上波ネットワーク(NBCとTelemundo)、そして26の放送局を持つ様になった。同様にDisneyはABC、VivendiはCBS、そしてFoxは地上波ネットワークのFoxと、メージャースタジオが4大地上波ネットワークを持つ構造が出来た。
しかし、この放送コンテンツのコントロールは長く続かなかった。多チャンネルサービスの普及により、地上波ネットワークの視聴率は減ってきた。4大地上波ネットワークにマイナーなThe CW、ION、My Network TVの3ネットを加えた地上波7ネットワークを合計しても、そのシェアは42.5%に落ちている。放送コンテンツをコントロールするには多チャンネルサービスが重要になっている。4大地上波ネットワークは主要な多チャンネルネットワークを持っているが、地上波での様な独占は出来ない。多チャンネルサービスは数百チャンネルの容量を持ち、600近い多チャンネルネットワークが存在しており、その独占は容易ではない。
さらに、インターネットによるビデオの配信が登場している。YouTubeが注目を浴び、NBCもその番組をYouTubeに提供し始める。しかし、インターネットでの配信も第三者に任せていたので、コンテンツ事業者はそのコントロールをさらに失う事になる。NBC、Fox(そして後にABC)は自らTV番組をインターネットで配信するHuluを設立する。
このHuluの設立は、Comcast等の多チャンネル事業者の脅威となる。多チャンネル事業者はその回線を双方向化し、VOD、インターネットコンテンツのアクセス等の新しいサービスを提供している。しかし、多チャンネルの双方向化はインターネットとの競合を作り出している。もし、コンテンツ事業者がどんどんとビデオをインターネットで配信すると、多チャンネルサービスの存在価値は無くなる。
Comcast等は「TV Everywhere」の構想で、そのブロードバンドネットワークを使い、インターネットビデオのサービスを立ち上げようとしている。しかし、それは独占出来るコンテンツがあるから成り立つ物で、Huluが同じ物を提供していたのでは、無意味である。Comcastに取り、Huluは大きな脅威である。そのComcastがNBCUを持ち、Huluに参加する事で、Huluの計画は変わって行き、また、インターネットでのビデオ配信のビジネス自体にも大きなインパクトを与える事になる。
