FCCが4対1(反対投票は民主党のコップス委員)で、ComcastとNBC Universalの合併を条件付きで認めたのに続き、司法省もこれを認可した。これにより、E!、Versus、Golf Channel等の多チャンネルネットワークを含むComcastのコンテンツ部門とNBCUを統合した会社が設立される。Comcastは、ケーブルTV事業に加え、この合弁会社の51%の株を持つことになる。残りの49%の株は、NBCUの親会社のGEが持ち、Comcastには3年から7年の間に残りの株を買うオプションがある。
Comcastに競合する他の多チャンネル事業者は、ComcastがNBCUのコンテンツを持ち、それを出し渋る事で、不公平な競争市場が出来るとして、この合併には反対であった。この対応にFCCは、Comcast/NBCUに対して公平な条件でのコンテンツ提供を求めると同時に、問題が起きた場合の調停プロセスを作る。また、FCCはオンラインでビデオ・コンテンツを配信する事業者に対しても、Comcast/NBCUが公平な条件で取り引きする事を監視する。
Comcast/NBCUはまた、より多くのローカルニュース番組、スペイン語放送(NBCUはスペイン語ネットワークのTelemundoを持つ)、それに子供番組を制作する事も約束をした。
さらに、親会社のComcastは、Comcast/NBCUが提供する番組と他社の番組を公平に扱うことを約束した。もし、Comcastが、Comcast/NBCUのニュースネットワークを扱う場合、他社の同じジャンルのネットワークを同じ価格層の中で扱わなければならない。また、Comcastは高速ブロードバンドを増やし、低所得層に対して月額$10以下の価格でのブロードバンドサービスを提供し、さらに$150以下でネットブック等のアクセスデバイスを販売する事も約束した。これに加え、Comcastは十分にケーブルTV、ブロードバンドサービスが届いていない、600の学校、図書館 に対して無償でサービスを提供する。
Comcast/NBCUのコンテンツの公平な提供に対しては、オンライン事業者の扱いが特に注目されていた。多チャンネル事業者がコンテンツを保有する場合、それを公平に提供する事は法律化されており、コンテンツ事業者のFoxを持つNews Corp社が、DirecTVを持っていた時期もあった。Comcast/NBCUの規模の方が、Fox/DirecTVより大きく、その影響力は大きいが、あからさまな差別をする事は不可能であり、大きな問題となる可能性はそれほど高くない。しかし、オンライン事業者へのコンテンツの提供に関しては、同様な規制は存在していない。NBCUはHuluにFox、Disneyと共に資本参加しており、ComcastはXfinityのサービスの一部でTV番組のオンラインでの配信(TV Everywhere)も行っている。ビデオコンテンツのオンライン配信はまだ始まったばかりの市場であり、Comcast/NBCUがその力を乱用出来る可能性は高い。
FCCは、Comcast/NBCUに対して、Huluの運営から手を引く事を命じた。NBCUは、Huluの経営に参加出来ないが、コンテンツ提供は引き続き行っていく事を約束した。FCCはComcast/NBCUに対して、すでに他のコンテンツ事業者とオンライン配信の契約がある会社に対しては、その契約と同等の条件で配信を合意する事を命じた。ViacomとTV番組のオンライン配信の契約を得ている事業者は、同等の内容でNBCUとの契約を求める事が出来る。しかし、契約内容は同様のコンテンツ、配信方法であり、オンライン事業者がすでにViacomと音楽ビデオの配信契約があっても、それを基にComcast/NBCUのTV番組の配信を得ることは出来ない。また、既存の契約が電子販売(EST)であった場合、Comcast/NBCUとの契約ではVODを求める事も出来ない。
FCCは、多チャンネル事業者が結んでいるのと同じ契約でオンライン事業者がコンテンツを得ることも可能とした。これにより、NBCUの全コンテンツをインターネットで配信する事も可能になる。しかし、これは現状では現実的ではない。オンライン事業者は、多チャンネル事業者同等の契約料金を支払うことになり、また、リニアでの放送を含め、Comcast/NBCUの主要なネットワークを全部配信なければならない。調査会社のBTIG Researchの概算では、加入者2000万のNetflixがこの契約をした場合、年間支払額は10億ドル以上になる。Netflixの2010年の売り上げは21.6億ドルであり、これは現実的では無い。Netflixが2010年にストリーミングビデオの調達に使った費用は1.74億ドルであった。
