同じ電話会社でもVerizonとAT&Tのビデオ参入の戦略は大きくと違う。Verizonは技術的にまだリスクのあるIPTV方式は避け,光ファイバー上でQAMをオーバーレイする伝送方式を採用している。これにより,VerizonはMSOが採用している既存のヘッドエンド装置,STBを採用し,リスクを低減している。Verizonはフランチャイズに関して批判をしており,州単位,あるは全米単位のフランチャイズ契約を求めているが,自治体を無視するのでは無く,1つずつフランチャイズ契約を行い,サービスを提供している。これに対し,AT&TはIPTVを採用し,また,規制の書き換えに期待し,ここの自治体とのフランチャイズ契約は行っていない。Verizonの方が手間がかかる戦略であるが,着実である。AT&Tはまだサービスを始めることが出来ていないのに対して,すでにVerizonは幾つかの地域でFiOS TVのサービスを開始している。
Verizonが力を入れている地域の1つはAT&Tの地元のテキサスである。Verizonはダラス郊外のケラーでサービスを始め,現在,ダラス周辺の16のコミュニティーでサービスを行っている。これはAT&Tにプレッシャーになり始めている。AT&Tがサービスを始める前にVerizonが地元のテキサスで成功して立場がなくなる。
AT&TはIPTVが提供出来るまでの間をDBSとブロードバンドビデオのハイブリッドサービスで乗り切る戦略を採用した。AT&TはこれまでEchoStarのDISH Networkを再販しいたが,この程,DISH NetworkのSTB,DVR機能,それにAkimbo,Movielinkのブロードバンドビデオを統合したHomeZoneと呼ばれるサービスを発表した。HomeZoneのMediaPortalと呼ばれるSTBはAT&Tと2Wire社が共同開発した物で,DVR機能を持つDISH NetworkのSTBであるだけでなく,インターネット接続機能を持ち,そのHDDにAkimbo,Movielinkの提供するビデオコンテンツを蓄積し,VODサービスを提供する機能を持っている。
この発表とほぼ同時にAT&Tは,6 MbpsのADSLサービスも発表した。これまでADSLはケーブルモデムに比べ遅いと言われてきたが,この差を縮めるサービスであり,下流で3 Mbpsから6 Mbps,上流で384 Kbpsから768 Kbpsの速度がある。AT&TはこのEliteと呼ばれるサービスのコンテンツとしてStarz Entertainmentsが最近開始したVongoと呼ばれるサブスクリプションVODのサービスを再販する契約をした。Vongoは月額10ドルでPCから1500の映画へのオンデマンドのアクセスと,多チャンネルネットワークのStarzの放送をストリーミングで受けることが出来る。
