4Kの動き

ABI Researchは、2018年にはアメリカの10%の世帯に4Kテレビが普及するとの予測を発表した。4K対応のテレビの販売は始まったばかりだが、すでに価格競争が始まっている。Seikiは、Sears店で4K TVを$1500で発売し、Hisenseは55インチのスマート4K TVを$2000を発表している。このペースで値下がりをすれば、4Kテレビの普及が2018年に10%に達しても不思議ではないであろう。

しかし、3Dテレビと同じに売れても、その機能が使われるかが課題である。アメリカの配信事業者は、4Kには慎重(悪く言えば無視)である。国として、放送の4K化への動きは無いく、FCCも4K化に関しては特に検討をしていない。FCCはバルチモア市のWNUV-TV局に対して4K放送のテストを許可している。テストは午前1時から5時まで行う事が許可されているが、テストはDVB-T2のテストであり、必ずしも4Kコンテンツが放送されている訳ではない。

4K化に対してアメリカの放送事業者が慎重な理由は3Dテレビの失敗である。アメリカのコンテンツ事業者、それに配信事業者は3Dには強い関心を示した。3Dはアメリカはコンテンツ事業者に取り至高の目標である。過去に少なくても4回の失敗をしていてもそれは変わりない。今回は、映画ではそれなりの成功をしているが、テレビ向けでは3Dはまたも失敗した。3Dに大きな力を入れ、フルタイムの3Dチャンネルを作ったESPNも3Dからの撤退を発表している。ネットワークに取り、3Dが失敗した理由を株主に説明する前に、4Kに投資をする事は難しい。

しかし、全部が4Kを無視している訳ではない。DirecTVは4K放送への準備を進めていると語っている。DirecTVは先進的な視聴者を対象にする事で成功をして来た衛星放送事業者であり、4K放送への一番乗りを狙っている。DirecTVはHD化、それに3D放送でも最も積極的に動いて来た会社で、すでに4K Network、4KNET、4KN等の名称のトレードマークを申請している。しかし、すぐに 4K放送を開始する予定は無い様だ。3Dでは非常に積極的であったDirecTVだが、4K放送は早くても2015年と語っている。

Netflixも最近、4K配信のテストを始めたと発表している。Netflixは、すでにSuper HDと呼んでいる圧縮が少ない画像の配信を始めており、Ultra HD(4K)も来年には配信を開始する予定である。しかし、既存のブロードバンド回線で送るために、4Kでもフレームレートは下げることになる。Netflixに取り大きな課題は、4Kコンテンツの調達である。Netflixのサービスは定額性であるが、4Kコンテンツを調達するコストは通常のHDコンテンツより高価になるであろう。Netflixが4Kコンテンツを高いコストで調達しても、加入者が払う月額は簡単に値上げする事は出来ない。Netflixは利用者が少ないとの理由で、3Dコンテンツの新たな調達はストップしている。

なぜ、HDテレビが成功をしたか? それは、解像度以上に、フラットパネルにあった。最初、HDテレビの普及が始まった時点では殆どのSTBはSDであり、多くの世帯はHDテレビでSD放送を見ていた。アメリカでのフラットパネルTVの普及には、HDでの放送自体はスタート時点では大したインパクトが無かった。コンテンツがキングと言われるが、HDテレビの普及においては、コンテンツではなく、スタイルがキングであった。

4Kはどうであろうか? HDでのの時と同様にスタイルがキングであれば、テレビ自体の見た目はHDと変わらない4Kが大きな成功をする事は難しいであろう。4Kが成功するにはコンテンツがキングであり、HDよりエンターテイメント性が高い事を示す必要がある。これには、コンテンツとテレビネットワーク側が積極的に4Kをサポートしなければならないが、現時点では3Dの失敗に懲り、4Kに対して躊躇をしている。