Aereo: ボストンでも勝つ

マサチューセッツ州の地域裁判所もニューヨークと同様にAereoのサービスはネットワークDVRと同様と判断し、ボストンに放送局を持つHearst社が求めていたサービス停止を却下した。HearstはAereoのサービスは著作権違反であり、さらにAereoでの視聴者は統計の対象にならず、広告収入を失うとして、サービスの停止を求めていた。裁判所は、AereoのサービスはネットワークDVRと同じであり、また、Nielsenの視聴者調査にはタブレッドからの視聴も含まれ、広告収入に与える影響は無いと判断した。

ワシントンDCの裁判所から、Aereoと同様のサービスに対する停止命令を受けているFilmOnは、マサチューセッツでのサービスの再開を求めているが、ワシントンDCの裁判所は再審査をする事を拒否している。ワシントンDCの裁判所はニューヨークを除く地域で、FilmOnが提供するサービスに対する停止命令を出している。

マサチューセッツでの判定が出た翌日に地上波放送事業者は、最高裁に対して、第2控訴裁判所の判定を再審査する事の求めた。第2控訴裁判所は2008年にCablevisionのネットワークDVRサービスは著作権法に触れないとの判断を出し、Aereoに対するサービス停止命令も却下している。放送事業者は、Aereoがサービスを開始しているユタ州でも訴訟を起こしている。

Aereoはサービスをニューヨーク、ボストン、アトランタ、ソルトレイクシティ、マイアミ、ヒューストン、ダラス、デトロイト、デンバー(11月4日開始予定)で開始している。価格は20時間のクラウドDVR付きが月額8ドルで、60時間のクラウドDVR付きは$12。iOS、Roku、それにブラウザーで視聴が可能であり、10月末からAndroidも対応になった。

多チャンネルネットワークも地上波の再配信をしているが、これは地上波局との契約をし、ライセンス料を払った上での事である。Aereo、それにFilmOnは、承諾無しで再送信をしている。現時点でAereoが地上波ネットワークにもたらしている損害は僅かな物であるが、将来的なインパクトは大きい。もし、Aereoの方法が合法であれば、多チャンネルネットワークもこの方法を使い、地上波ネットワークへの支払いから逃れる事も可能である。多チャンネル事業者が地上波の再送信ライセンス料として支払っている金額は年間30億ドル以上になっている。現時点では多チャンネル事業者には再送信をする場合、局と契約をする事が法律で求められているので、Aereoの様に加入者数と同数の小さなアンテナを使っても、契約はしなければならない。しかし、多チャンネル事業者が地上波再送信を自ら行うのではなく、Aereo等に外注する事も可能である。Aereoは、サービスの再販に関してすでにISPと交渉をし始めている。

現時点では、多チャンネルネットワークが地上波再送信料から逃れる事は困難である。多チャンネル事業者は、コンテンツ事業者(Disney、NBCUniversal等)の地上波だけでなく、多チャンネルネットワークの番組も放送している。現行の契約があり、さらに更新の時点で、地上波無しでの契約をする事は容易には出来ないであろう。だが、コンテンツ事業者に対して、一括契約では無く、チャンネル毎の契約を義務化する法案も議会に提出されており、地上波の再送信と多チャンネルネットワークの放送契約を一緒に求める事が出来なくなる可能性もある。