早まる映画のVODのリリース

VODのサービスがスタートした時点で、VODにおける新作映画のリリース時期はDVDで発売になってから30日以上であった。映画会社はVODのリリースがそれ以上に早いと、DVDの販売に影響を与えると考えた。しかし、これはVODに対する興味を鈍らせる事となり、ケーブルTV事業者はリリース時期を早めることを交渉して来た。

2006年にComcastはTime Warnerを含む映画会社6社に対して、VOD利用とDVDの販売の関係を2年間かけて調査する事に合意させた。最初の調査対象になった映画はTime Warnerの「Astronaut Farmer」で、DVD発売と同じ日にVODでのリリースをした事で、VODで大成功したが、特にDVDの販売には特に影響は見られなかった。

これらの調査の結果で、映画会社の考えは徐々に変わってきた。Time Warnerは一部の映画はDVDとVODで同じ日にリリースし始めており、最も間隔が長い物でも14日程度の遅れになっている。さらには独立系映画では、劇場での公開と同時にVODで配信する事もの始まっている。

しかし、映画会社全てがVODがDVDの販売に悪影響を与えないと認めた訳ではない。DVDでの大きな成功が予想されるタイトルに関しては、小売店のWal-Mart、Best Buy等を怒らせないためにリリースを遅らせている場合が多い。特に、Universal、Sony、Paramount、DisneyはVODでのリリースを早める事にはまだ躊躇している。

しかし、VODは大きなトレンドであり、いずれはほぼ全部の映画がDVD(あるいはBlu-ray)とVODで同時にリリースされるようになるであろう。そして、ケーブルTV事業者が提供するVODのタイトル数も増えていく。これに対応する為に、Comcastは各地域のケーブルシステムのサーバーに全VODのタイトルを置くのではなく、全米に2つのVODセンターを設置し、アクセスの多いタイトルのみを個々のヘッドエンドにキャッシュするアーキテクチャーへ移行をしようとしている。

これらセンターでは膨大なタイトルを蓄積する事になり、ケーブルTVのVODだけで使うのはもったいない。VODサーバー会社のConcurrentはNCTAの展示会で非公式に、VODサーバーに置いたビデオをPC、あるいはモバイル端末に配信する技術のデモンストレーションを行っている。