2009年は自動車向けモバイル放送にとり、重要な年になる。自動車向けのオプションとして、後部座席向けのビデオモニターとDVDプレーヤで構成されるRSE(Rear Seat Entertainment)システムがポピュラーになっており、この市場に向けた放送サービスに関する関心が非常に高まっている。
現在のサービスとしては、自動車向けの衛星ラジオ事業者のSirius XMがSirius Backseat TVと呼ばれる、子供向けの3つのチャンネルで構成される放送サービスを月額$7ドルで提供している他、DirecTVが月額$50のTotal Choice Mobileを提供している。Backseat TVは既存のSiriusラジオのアンテナと$300ドルのチューナで受信出来るが、DirecTVを車から受信するには、$3000する、車の幅近くある円盤形のアンテナとチューナを購入する必要がある。
3つめのオプションとして、AT&TとRaySat Broadcasting社は2009年春にAT&T CruiseCastと呼ばれる自動車向けの多チャンネルサービスを立ち上げる事を発表している。CruiseCastはIntelsatの衛星トランスポンダーを使い、22のテレビチャンネルと20の音楽チャンネルを提供する予定である。サービスの価格は月額$28だが、アンテナとレシーバは$1300と高価である。衛星放送を途切れなく、受信するには通常は地上リピーターを設置する必要があるが、CruiseCastは3分間のバッファーを使い、トンネル等の衛星からの電波が届かない状況でも放送が途切れないように対応をする。
CruiseCastは主要な多チャンネルネットワークのDisney Channel、Nickelodeon、Comedy Central。USA、MSNBC等を提供すると発表しているが、その契約はまだ完了していない。ドライブ時間が長い、アメリカでは子供達を静かにさせておくためにRSEは効果のある物であるが、その為にどの程度の人が月額$28ドルのサービスに加入するかは不明である。CruiseCastのアンテナはDirecTV向けのKVH Industriesが提供する物より、小型で、安いが、それでも$1300もする。

携帯電話向けのモバイル放送を行っているQualcommのMediaFLOもRSE向けのサービス参入を行っている。MediaFLOは12月にその為のテストを行った事を発表した。テストはトヨタとの協力でサンディエゴで行われた。MediaFLOはこのテストにより、現実的な環境で、移動中の車の中から高画質映像を途切れなく受信する事が可能であったと発表した。そして、同社はCESにおいて、Audiovox社をパートナーとして、自動車向け市場に参入する事を発表した。AudiovoxはMediaFLOのサービスを車から受信する為のアフターマーケット向けのレシーバーを提供する。チャンネルラインアップ、料金等は発表されていない。現在、MediaFLOはAT&TとVerizonが月額$15で、10から15チャンネルのサービスを提供している。
