再送信問題: 政府の介入を求める事業者

Time Warner Cable、Cablevision、Dish、DirecTV等の多チャンネル事業者、小規模のケーブルTV事業者を代表するAmerican Cable Association、中小電話事業者のロビー団体のOrganization for the Promotion and Advancement of Small Telecommunications Companies(OPASTCO)は、上院と下院の通商委員会に対して、地上波の再送信問題を解決する為に、1992年のケーブル法の改正を求める書面を提出した。

放送局が多額の再送信料を求め始めることで、再送信を行っている多チャンネル事業者との契約交渉が進まずに、再送信が途切れる事が増えている。最近では、CablevisionとABCの交渉が進まずに、Cablevisionはそのニューヨークの加入者に対して、ABCの放送を18.5時間ストップした。

放送局は、再送信義務(Must Carry)を使い、その地域の多チャンネル事業者に再送信を求める事が出来る。これは、法律上の義務であり、多チャンネル事業者は拒否する事は出来ない。しかし、再送信義務を使った場合、放送局は再送信料等の条件を求める事が出来ない。放送局は、再送信義務を適用を拒否する事も出来る。この場合、放送局は再送信料を求めることは出来るが、再送信は義務ではなくなるので、多チャンネル事業者はこれを拒否する事が出来る。

数年前まで、再送信の仕組みはうまく動いていた。放送局は、放送設備に投資をする事無く、多チャンネル事業者を使うことで、難視聴問題を解決出来た。放送局は、再送信条件を求める事もあったが、多チャンネル事業者は、各地域、ケーブルTV事業者の独占であり、拒否された場合、再送信が無くなることになり、厳しい条件を求める事はなかった。このため、ケーブルTV事業者は比較的に容易な条件で、再送信契約をする事が出来た。
しかし、放送局の広告収入は減少をしており、放送局は新たな収入源として、再送信料を大きくと値上げしている。多チャンネル事業者は、これを拒否出来る。しかし、現在では多チャンネルは地域独占では無くなり、ケーブルTV、DBS、電話事業者が競合をしている。どれか1つの多チャンネル事業者が主要地上波局の再送信が出来なくなった場合、加入者を競合に奪われる事になる。

地上波再送信の支払いは、多チャンネルサービスの加入者が支払うことになる。これは、地上波放送が有料チャンネル化していると見ることも出来る。多チャンネル事業者は、地上波放送が有料になるのであれば、再送信義務で保護するべきでは無く、法律の改正を求め始めてる。

再送信料金が増えることで、放送局の再送信収入も増えている。36の放送局を主に小さな地域に持つ、Gray Televisionの最新四半期の再送信収入は1560万ドルで、前年同期の414%アップであった。放送局会社のNexstarの再送信収入は前年同期68.5%増、Beloは29%増、LIN TVは48%増であった。
しかし、放送局が再送信収入の全てをキープ出来る訳ではない。放送局が再送信収入を増やすことで、その番組を提供するネットワークは、その一部を徴収しようとしている。9つのABC局を持つSinclair社は、ABCとの新しい契約で、ABCに対して再送信料金の一部を支払うことで合意した事を発表した。以前は、全国的なネットワークを作るために、ABC等のネットワークが、放送局に対して、その広告収入の一部を払っていた事もあったが、トレンドは逆になり、放送局がネットワークに支払いをするようになっている。