CablevisionのネットワークDVRが訴えられる

The Compassの2006年4月号で報じたようにCablevisionはリモートストーレッジDVR(RS-DVR)の名称でネットワーク型のDVRのテストをロングアイランドで開始の予定であった。RS-DVRは視聴者のSTBではなく,ケーブルTV事業者のヘッドエンドのサーバーに番組を録画するネットワークベースのDVRである。放送番組をヘッドエンドで録画し,後で送信する場合は同時再送信では無くなり,ケーブル事業者が再放送の許諾をコンテンツ事業者から得なければならない可能性がある。Time WarnerはMystroTVの名称でネットワークDVRを開発したが,この著作権問題をクリア出来ずに諦めた。MystroTV は全放送を録画し,視聴者の要求に応じて提供する方式であったのに対して,CablevisionのRS-DVRは加入者毎にサーバーに専用の録画場所を持ち,STBから録画,再生の操作を行う。Cablevisionはこの方法はBetamax裁判が許可した個人録画の範囲であり,著作権上の問題は無く,コンテンツ事業者もポジティブだと言っていた。

しかし,この考えは甘かった様で,映画スタジオのTwentieth Century Fox, Universal Studios, Paramount Pictures, The Walt Disney Co.,それにTVネットワークの ABC, CBS, NBC,CNN等はニューヨークの地方裁判所でCablevisionに対する訴訟を起こした。原告側はRS-DVRと言う名称は,このサービスをDVRの様に思わせるが,実際はCablevisionが許可無しで行っているVODのサービスであるとして訴えている。これに対して,CablevisionはRS-DVRはその名の通り,DVR技術の延長であり,通常のDRVではストーレッジがSTBにあるのに対して,RS-DVRではサーバー側にあるだけで,個人ユースの範囲内であると反論している。

ケーブルTV事業者はCablevisionのRS-DVRのテストを行うとの発表に称賛を送り,この裁判の行方を注目している。もし,これが個人ユースの範囲内と見なされれば,他の事業者もネットワークベースのDVRサービスを始めるであろう。

MystroTVを諦めたTime Warner Cableはその技術を使い「Start Over」と呼ばれるサービスを始めた。Start Overでは番組の放送時間に限って,その番組を最初から再スタートをする事が出来る。放送時間後ではStart Overは不可能であり,また番組の提供はリニアで,早送り(広告スキップ)は出来ない。MystroTVサウスカロライナでテストが始まり,最初,協力を得られたのはNBC Universal系のネットワークだけであったが,現在では他のケーブルネットワークも指示をし,62のチャンネルでStartOverが出来る。Time Warner Cableはこのサービスを新たにノースカロライナのグリーンズボローとテキサスのサンアントニオでも提供を始めると発表している。