フランチャイズ規制の動き

ケーブルTV事業者がケーブルTVサービスを行う際,自治体とフランチャイズ契約を結ぶことが連邦法で義務化されている。フランチャイズ契約は事業者がケーブルTV網を敷設するのに公共の土地(空中)権を使う代わりに自治体に支払い,それに放送,データ通信サービス等を提供する契約である。電話回線の敷設にはこのような自治体とのフランチャイズ契約は無く,電話事業者が敷設している光ファイバー網で提供されるビデオサービスもケーブルTVサービスとして定義され,フランチャイズ規制の対象になるべきかが争われている。

電話事業者は当然,この規制には賛成ではない。何千もある自治体と交渉をする事は市場参入を遅らせる。AT&Tはフランチャイズ交渉は積極的には行っていなく,規制の動きを見ている。これに対して,Verizonはフランチャイズ契約を行い,サービスを提供しているが,契約に至るまでには非常に手間と時間がかかっている事を明らかにしている。決まったフランチャイズ契約の項目がある分けではなく,自治体によっては難題を要求する場合もある。最近,Verizonはフランチャイズ上の問題で,マリーランド州のモンゴメリー群に対する訴訟を起こした。Verizon社はモンゴメリー群はフランチャイズ契約として,65のチャンネルを公共チャンネルとして群に提供する事,この交渉に関して群が雇う弁護士とコンサルタントの給料を支払う事,さらにケーブルTVだけでなく,電話,データ通信サービスの売上げの一部も群に支払う等,非常識な項目を要求しており,これはフランチャイズ法で許された範囲を超える行為だとして,Verizonはモンゴメリー群を訴えた。

連邦議会,それに一部の州議会ではこの規制の見直しが検討されている。競合の参入を早めるために規制を緩和し,全米,あるいは州単位でのフランチャイズを可能にする法案が検討されている。ケーブルTV事業者は当然,これに反対をしてきた。しかし,その態度は柔軟になりつつある。通信規制のもう1つの大きな話題はインターネット中立性で,ブロードバンド事業者にQoSを使ったサービスを別料金で提供する事を許すべきかの議論である。ケーブルTV事業者はこの規制にも反対しており,両方に反対するより,フランチャイズ法では譲り,インターネット中立性では電話事業者と協力し,戦うべきとの意見がある。

また,コネチカット州の公共事業委員会がIPベースのビデオサービスをケーブルTVではなく情報サービスと見なす事が3対2で通過した事も大きなインパクトである。これにより,コネチカット州では電話事業者はフランチャイズ権無しでIPTVサービスを提供出来る事になる。コネチカット州ではAT&TがIPTVサービスを提供する予定であり,公共事業委員会はAT&TはIPTVは基本的にケーブルTVとは異なることを実証出来たとして,この決定に至った。コネチカット州でケーブルTVサービスを提供しているCablevision,Cox,Charter等の事業者は州の司法長官に対してこの決定の執行中止を求める嘆願を行っている。

電話会社のビデオサービスに全国,あるいは州レベルのフランチャイズが認められても,それはIPTVをケーブルTV同等を見なしているからである。しかし,コネチカットの様にIPTVを情報サービスとして見なされては,ケーブルTVに対する規制はIPTVには適用されなくなる。ケーブルTV事業者には電話会社のビデオサービスもケーブルTVと同じと定義され,同じ規制下で競合する事が大切である。

カリフォルニア州議会でも電話会社に対して州単位でのフランチャイズを許可する法案が議論されているが,これまで反対をしてきたカリフォルニア州のケーブルTV事業者を代表するCalifornia Cable & Telecommunications Associationは,最新の法案ではケーブルTV事業者にも同様に州全体でのフランチャイズ契約に移行する事を可能にしたとして,この法案に賛成すると発表した。ケーブルTV事業者に取っては,IPTVもケーブルTVと同じ規制下にあると認めさせることが重要である。コネチカット州がこの決定を行った翌々日には連邦下院議会において,IPTVの事業者にもフランチャイズ義務があることを正式にする法案が提出されている。