Appleが映画の販売を開始

AppleはこれまでそのiTunesでテレビ番組を1.99ドルで販売してきたが,今回,映画のダウンロードサービスを開始した。最初は,Disney系のPixar,Miramax,Touchstone等のスタジオから75の映画がそれぞれ10ドルから15ドルで販売され始めた。

Appleは音楽のダウンロードでは大成功をしたが,映画でも成功出来るかは分からない。PCから映画のダウンロードして視聴出来るサービスとしてはCinemaNow,映画会社大手が投資しているMovielink等があるが,成功はしていない。これらのサービスは24時間,ダウンロードした映画を見ることが出来る「レンタルビデオ」的なサービスであるが,最近,どちらも特典を含めたコンテンツをダウンロードし,DVDへ焼くことが可能なサービスも立ち上げている。Appleより1週間早く,Amazon.comも「Unbox」と呼ばれる映画ダウンロードのサービスを始めてい。さらにはコンテンツ事業社自体も映画ダウンロードのサービスを始めている。20th Century Foxは同じ,News Corp系列のFox Interactive Mediaが運営するDirect2Drive,MySpace.com等のウェブサイトでその映画のダウンロード販売を開始する事を発表している。

このように多くの映画のダウンロードサービスが立ち上がり,さらにケーブルTVではVODも提供されているが,DVDのレンタルビジネスには影響を及ぼしている形跡は無い。郵便でDVDを送る形式のレンタルサービスを行っているNetFlixの顧客数は昨年の300万から,すでに550万に増えており,年末には620万に達すると予想されている。

映画のダウンロードに対する不満としては,3つある。1つはダウンロードの時間が掛かることである。ブロードバンドと言っても,アメリカはADSLでは1 Mbps程度が主流であり,映画のダウンロードには時間が掛かる。

2つ目は価格である。購入はDVDより若干安いが,画質が劣り,また特典が無いことを考慮すると,特とは言えない。ダウンロードによるレンタルは特に安くはない。
3つ目はダウンロードした映画は,TVで見ることは出来なく,PCの画面で見なければならないことである。最初の2つは通信事業者とコンテンツ事業者の問題で,アップルが直接的には解決をする事は出来ないが,3つ目に関しては「iTV」と呼ばれる,PCのHDDに蓄積されているビデオをTVに送ることが出来るデバイスを公開した。ITVの出荷は来年であるが,価格は299ドルと発表されている。

インターネットビデオがYou Tube,Google Video等の範囲を超え,メインストリームのビジネスになって行くには,その視聴がPCの画面に限られるのではなく,TVからも簡単な操作で見ることが出来る様になる事が必要である。IPodにより音楽のダウンロードビジネスが普及したように,iTVが映画のダウンロードビジネスを成功に導き事が出来るか,注目される製品である。