ケーブルTVのデジタル化

Comcastのシカゴシステムは2007年7月1日より,フルにデジタル化をする事を発表した。180万世帯の加入者のある,シカゴのシステムでは地上波再送信,基本的なケーブルTVチャンネルで構成される拡張ベーシックパッケージと呼ばれる72チャンネルがアナログで放送され,それ以外のケーブルTVチャンネル,有料チャンネル,PPV,VOD等がデジタルで放送される,ハイブリッド方式であった。7月1日より,拡張ベーシックのチャンネルもデジタルで放送される様になる。

これまで拡張ベーシックだけに加入していた世帯はSTB無しでこれらチャンネルを視聴する事が出来たのが,7月1日より,デジタルSTBが不可欠になる。これはケーブルTV事業者に取ってリスクを伴う。デジタルSTBが必要になれば,そのレンタル分は最低でも月額が増える。家庭内のTV全部にSTBを取り付ける手間に加え,料金も値上げになるのであれば,これを機にDBSに移行する加入者も出るであろう。

しかし,アナログ放送は貴重な帯域を多く使っており,HDチャンネル,より高速なケーブルモデム等のサービスを提供するためにデジタル化は必要である。さらに,地上波のアナログ放送が終了する2009年2月以降もアナログ放送を続けることは,コンバージョン等でコストを増やすことにもなる。だが,これまでSTB無しで番組を視聴する事が出来た世帯に,DSTBを導入させることは,困難を伴うと思われる。

Comcastはデジタル化によるVOD,IPG等の便利な機能を宣伝する事で,デジタル移行への不満を和らげよとしている。また,Comcastは一部のチャンネルは引き続きアナログで放送を続ける。地元の地上波局,公共放送,ショッピングチャンネルのQVC等,34チャンネルはベーシック・パッケージとしてアナログで放送される。これにより,最低料金のベーシックサービスの加入者にはDSTBを借りさせる必要は無く,また,拡張ベーシック以上の世帯でも2台目,3台目等のTVにはSTBを取る付けなくても,最低限のチャンネルは見ることが出来る。

これにより,アナログ放送は現在の72チャンネルから34に減り,38チャンネル分,228 Mhzをデジタル放送に再利用する事が出来る。これはデジタルチャンネルではSDで約380チャンネル,HDで約100チャンネルの容量である。

Comcastは現在,総加入世帯の約50%を構成するアナログサービスの世帯を,2010年には25%に減らしていく予定であり,このシカゴ・システムのデジタル移行は最初の一歩になる。他のケーブルTV事業者もフルデジタル化を進めている。Time Warner Cableのニューヨーク州スタッテン・アイランドのシステムも最近,フルデジタル化を行っている。