Google TVレイオフの背景

GoogleはAndroid TVとGoogle TVの予算を10%削減し、チームに所属する約300人の社員の25%をレイオフする。TV OSからの撤退ではなく、年内までにGeminiを導入した新しいGoogle TVを発表するが、なぜTV OSの予算を減らすのか。

Android TVは多チャンネルサービスのSTB向けOSとしては成功をしたが、スマートTV向けのGoogle TVでの成功は限られている。アメリカではRoku、Samsung(Tizen)、Fire TVが65%のシェアを持ち、Google TVとChromecastの合計シェアは8%程度である。世界的でも6%のシェアでしかない。

TV OSは主要なテレビメーカーが独自OSプラットフォームを持ち、乱立状態にある。メーカーがGoogle TVのようなサードパーティを使わず、コストを掛けても独自OSを開発するのは収入と利用者のデータのためである。プラットフォーム上の広告、アプリ収入、自社のFASTサービスの広告等から得られる収入は大きい。さら視聴者のデータを独占出来る価値も多い。

例えば、Walmartが買収したVizioの2024 Q3の$4.45億の売上の中、プラットフォームからの収入は44%を占めていた。デバイスは$700万の赤字で、プラットフォームが$116億の収益があった。Vizioはまた、自社のスマートTVから得た視聴調査を提供するInscapeも持っている。

サードパーティのTV OSを採用するのにはそれなりの理由が必要である。Rokuを搭載したスマートTVが多いのはRokuが最も売れているストリーミング・デバイスであり、規模的にRokuを恐れる必要がないからだ。Amazonは規模的には脅威であるが、小売最大手であり、パートナーになっている価値はある。Googleはテクノロジー、広告等で競合するだけでなく、YouTubeはスマートTVで最も視聴されているサービスでもあり、脅威のレベルは高い。

CTVは重要なデバイスであり、GoogleはTV OSから撤退することは出来ない。サードパーティのOSとして成功するには他社が真似できない機能を提供することで、Geminiにそれを期待しているようだ。AI分野ではRokuはGoogleに太刀打ち出来ない。Samsung等のTVベンダーも同様である。Amazonに可能性があるが、Googleの方は現時点では進んでおり、AIを使ったTV OSに一番乗りをすることが出来る。検索などで明らかな優位性を提供出来れば、Google TVのライセンスは増えるであろう。