音楽ストリーミングサービスの会社で、ポッドキャストに積極的に投資をしてきた、Spotifyが大きなレイオフを行った。これにより、ポッドキャスト・ブームが終わるとの予測が出ている。Spotifyのレイオフは今年で3回目である。1月には600人、6月には200人をレイオフし、年末にはさらに社員の17%に相当する1500人を解雇し、1年で合計2300人がSpotifyから去っている。
SpotifyはポッドキャストのリーダーになるためにGimlet、Parcast等のポッドキャスト・スタジオを買収し、またジョー・ローガン、ハリー王子等と多額の契約をしてきた。同社はポッドキャストに$10億以上を投資している。Spotifyの狙いは買収したスタジオのポッドキャストを独占配信にすることで、Spotifyの利用者ベースを広げ、有料サービス加入者数を増やすことである。2023年Q3での利用者数は5.74億人で、前年から26%の増加があった。しかし、有料加入者の増加率は16%でしかない。さらに、ARPUは減っている。2015年のARPUは€6.84であったが、2022年は€4.54に落ちている。
ポッドキャストへの投資で利用者は増えているが、儲けには結びついていない。2022年度の売上は€117.2億であったが、€2.36億の赤字を出している。Spotifyはレイオフと共に買収したスタジオの閉鎖、あるいは統合を行っており、いくつかの著名なポッドキャストがキャンセルされている。
Spotifyの失速の理由はその戦略が失敗したからであり、ポッドキャストの利用が減っているからではない。Spotifyの失敗により、ポッドキャストへの投資は鈍るであろうが、利用が減ることはない。非営利メディアのNational Public Radioと調査会社のEdison Researchが行ったスポークン・ワードのオーディオサービスに関する調査によると、ポッドキャストは12歳以上の人の64%が利用している。スポークン・ワード・オーディオの聴取時間に占めるポッドキャストの割合は2014年では13%であったのが、2023年では36%に増えている。また、スポークン・ワード・オーディオの聴取者と聴取時間も増えている。毎日、スポークン・ワード・オーディオを聞いている13歳以上の人は2014年の1.05億人から2023年には1.35に増えている。音楽を含めたオーディオに占めるスポークン・ワードの割合は2014年の20%から2023年では31%に増えている。この増加はポッドキャスト、それにオーディオ・ブックの普及がもたらしている。

NPRとEdison Research
