Amazon ChannelsとDiscovery+

Amazon Channelsは中小のSVODの市場参入を可能にするプラットフォームとしてスタートした。Amazon Channelsを利用すればサービス提供者は配信、アプリ開発、プロモーション、課金等をAmazonに任せ、コンテンツに注力出来る。しかし、データはすべてAmazonに握られ、自社によるサービス提供で得られるような細かいデータは見えない。

WarnerMediaのHBO Nowは自社での配信とAmazon Channelsの両方を使いスタートしたが、HBO Maxにリブランドする際、Amazonと手を切ることを選んだ。この交渉により、Amazon Fire TV向けのHBO Maxアプリの提供が遅れた。さらに、HBO MaxとAmazon Channels上のHBOの2つサービスがあることで混乱を招き、Amazon Channels上のHBOが無くなることで200万人近い加入者を失った。

HBOがAmazon Channelsから撤退したことの損害は大きかったが、WarnerMediaに取り、視聴データを得ることが重要であった。HBO Maxには広告付きのバージョンもあり、広告販売の為には視聴データを持つことの重要性は高い。ViacomCBSもAmazon Channelsを使っており、Paramount+とShowtimeは引き続きAmazon Channelsでも配信することを発表しているが、今後Amazon Channelsを去るSVODサービスが増える可能性がある。WarnerMediaは来年にDiscoveryと合併予定であり、このままであればAmazon ChannelsはDiscovery+も失うかも知れない。

Amazonは欧州でDiscovery+とデータの共有を行うテストを開始していることを発表した。これが成功すれば、HBO MaxがAmazon Channels戻る可能性が出てくる。また、データの共有は業界全体にも重要な動きになるかも知れない。視聴データは大きな財産であり、GoogleとRokuの争いの背景にもデータの扱いがある。しかし、ストリーミング・ビデオでの広告がテレビ放送広告に追いつくためには、各プラットフォームが個別にデータを握っているのでは無く、共有する事でストリーミング・ビデオでも大規模な広告キャンペーンを可能にする必要があり、その第一歩になる。