Q3は例年は多チャンネルサービス加入者が減少する期である。人々はバケーションに行き、家にいる時間は少なく、また、番組も殆どは再放送になる。今年は違う。COVID-19でバケーションには行けず、自宅にいる時間が増えている。しかし、所得が減っている世帯が多く、多チャンネルサービスから脱退する世帯が増えるとの予測されていた。
既存型の多チャンネルサービス加入者は減ったが、主要8社の合計減少数は106万世帯で、Q2の147万世帯より少なかった。多くの加入者を失ってきたAT&Tのロスは60万世帯で、前年同期の117万世帯の半分であった。Q2に10万世帯を増やした、Charterは今期も7万世帯を加えた。世帯所得は減っているが、自宅に居る時間が長く、娯楽が必要なこと、スポーツが再開したこと、それに大統領選挙に対する関心が高かった事で、脱退が少なかったと思われる。
vMVPDの状況はさらに良く、AT&T TV Nowが加入者を失った以外は全サービスが加入者を増やした。vMVPDの合計加入者は128万世帯増えた。結果、多チャンネルサービス全体では23万世帯の増加となった。vMVPDの加入者が増えたのはスポーツ再開が大きくと影響している。これまで大したスポーツファンでなかった人も、スポーツが無くなった事にショックを受け、再開を待っていた。スポーツに注力しているFubo TVの加入者はQ2の29万世帯から46万世帯へ増えた。
しかし、これは持続しないと予測される。先月号に書いたように再開時のスポーツ番組の視聴者は多かったが、その後は減っている。再開になった事で視聴し始めたが、もとからスポーツを頻繁に見ていなければ、それは持続しない。Q4にもvMVPDの加入者が大きく増えることは無いと思われる。また、最も加入者が多いHulu with Live TVは昨年の12月に$45から$55に値上げし、今年も値上げを行い、価格は$65になる。今期にはHulu with Live TVは70万世帯を加えたが、値上げのあるQ4にもこのような増加をすることは不可能であろう。
自宅に居る時間が多い限り、COVID-19による所得の減少は多チャンネルサービス加入者の脱退にはつながらないようである。Q4も選挙の影響によりニュースの需要は高かった。NFLはスタートし、また全ではないが、今年の新番組もスタートしている。既存型多チャンネルサービスの脱退数はQ4も高く無いかも知れない。しかし、加入する事が簡単だが、脱退も容易なvMVPDはチャーンの可能性が高く、予想は難しい。

各社(Coxは推定)
