司法省がT-Mobile/Spring合併を許可

司法省と5つの州司法長官はT-MobileがSprintのプリペイド事業、一部の周波数帯域等をDish Networkに売る事を条件にT-MobileとSprintの合併を許可した。T-MobileとSprintの合併の問題は全米規模のモバイル通信事業者が4社から3社になることであり、それにより競争が減り、料金が高くなっていくことが懸念されている。

Dishを第4の通信事業者にすることが目的であり、条件はT-Mobile/SprintがDishに対して:

  • Boost Mobile、Virgin Mobile、Sprint Prepaidを含む、Sprintのプリペイド事業を売却する(合計加入者数は約900万人)
  • 800 MHz帯域を売却する
  • 2万以上の基地局、数百の販売店の権利を譲渡する
  • 7年間のMVNO契約を提供する

Dishはこれらに対して$50億を支払う。T-MobileはこれによりSprintの買収が許可が可能になり、Winである。Dishはこれまでに約$200億を使い、95 MHzもの帯域ライセンス(主にミッドバンド)を競売で得ている。しかし、ネットワーク構築はまだであり、2023年までに全米の70%でサービスを開始しないと政府に$22億の罰金を支払う必要がある。Sprintのプリペイドサービスの加入者、販売店を得て、さらにネットワーク構築中にMVNO契約があり、基地局へのアクセスも得られれば、期日までにサービスが可能になり、これもまたWinのようであるが、しかし、投資家の評価は低く、Dishの株価は6%も落ちた。

投資家の一部は、Dishが本気で通信事業者になる気があるとは思っていない。Dishが$200億で帯域ライセンスを買ったのは投機であり、いずれば売ると見ている。彼らは、DishがT-Mobileから買う資産も転売目的と考え、Comcast、あるいはCharterに売ると予想していた。しかし、契約には最低3年間の転売禁止事項があり、すぐには売ることは出来ない。Dishは本気でモバイル通信事業に参入するかも知れないが、その場合は多くの投資が必要となる。さらに、AT&T、Verizon、T-Mobileと競争する必要性があり、成功は容易ではなく、完全なWinとは言えない。


Cowen Inc.

同様に、T-MobileもまだWinとは言えない。これでSprintの買収が確実になった訳ではない。ニューヨーク、カリフォルニア等の十数州は合併阻止の提訴をしており、今回の和解にはまだ合意していない。裁判の開始は12月に延期になっているので、結果が出るのは来年になる。