これまで大学のキャンパス向けにブロードバンドベースの多チャンネルサービスを提供してきたPhiloもコンシューマ向けのサービスを始めた事で、OTTで多チャンネルサービスを提供している事業者は8社になった。
| OTT多チャンネルサービス | ||
| サービス |
開始時期 |
推定加入者数 |
| Sling TV(Dish) |
2015年2月 |
200万人 |
| PlayStation Vue(Sony) |
2015年6月 |
30万人 |
| DirecTV Now(AT&T) |
2016年11月 |
120万人 |
| Fubo TV |
2017年2月 |
10万人 |
| YouTube TV |
2017年4月 |
30万人 |
| Stream |
2017年6月 |
10万人 |
| Hulu with Live TV |
2017年7月 |
45万人 |
| Philo |
2017年11月 |
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NSI Research
OTT多チャンネルサービスは既存の多チャンネルサービスより安い事が魅力である。例えば、YouTube TVは月額$35で、ケーブルTVの基本的なExpanded Basicパッケージの半額である。価格が安いのはチャンネル数が少ないためだが、YouTube TVは40チャンネル以上あり、Expanded Basicの重要なチャンネルの多くが含まれている。OTTでの配信だからと言ってコンテンツ事業者との契約料は安くならない。逆に、加入者が少ないので、1加入者あたりの価格は高いであろう。
OTTではSTBの設置、それに加入者宅への回線コストが不要だが、コンテンツ契約料金が加入者からの月額の大半を占めていれば、収益は少ない。しかし、OTT多チャンネルサービスには既存の多チャンネルサービスが失敗した広告からの収入源がある。
地上波放送にローカル局向けの広告枠があると同じに、多チャンネルサービス向けの番組にも配信事業者向けの広告枠がある。しかし、既存のケーブルTVはこれを売ることには成功しなかった。ケーブルTV事業者は加入者収入があり、広告販売にはあまり熱心で無かった理由もあるが、それ以上にローカルな広告をするのであれば、地上波局を使った方が効率的だからである。1つの地上波放送の地域を複数のケーブルTV事業者でカバーしている事も多く、ローカル広告でもケーブルTVの場合、複数の事業者を使う必要性がある。ケーブルTVではアドレッサブル広告機能が可能で、それを提供する目的で共同事業のCanoe LLCを設立したが、成功しなかった。現在、CanoeはVOD向けだけに、アドレッサブル広告を提供している
OTT多チャンネルサービスはケーブルTVよりアドレッサブル広告は容易であり、さらに視聴データの取得も容易でプログラマティック広告も出来る。また、地域も全米をカバー出来き、OTT多チャンネルサービス事業者は広告収入に期待をしている。加入者数は少ないが、OTT多チャンネルサービス加入者は40歳以下で、収入は高めである。彼らは既存の多チャンネルサービスには加入していない人達であり、放送広告ではリーチ出来ていない層でもある。Sling TVは以前からプログラマティック広告をしており、他の事業者も提供を開始し始めている。事業者としては規模の小さいFuboTVも先月にSpotXと契約し、プログラマティック広告を始めた。加入者数はまだ10万人と少ないが、FuboTVはスポーツに力を入れており、さらにヒスパニック系の加入者が多いとの特徴がある。
