スポーツは多チャンネルサービスの重要なコンテンツであった。しかし、多チャンネルサービスの視聴者、特に若い視聴者が減っている事でネットワーク、それにスポーツリーグはOTTでのスポーツ配信に動き始めている。ESPN等のスポーツ専門チャンネルの視聴者が減っているだけでなく、有料スポーツチャンネルパッケージの加入者も減っている。DigitalSmithsの調査では2016年Q2ではスポーツパッケージへの加入率は多チャンネルサービス加入者の11.6%で、前記の13.7%から大きくと減った。
DigitalSmiths
Disneyは先月、$10億を投資しMajor League Baseball Advanced Media(MLBAM)のOTTプラットフォームのBAM Techの33%を得た。BAM TechはMLBがNational Hockey League (NHL)との協力で作ったOTT配信プラットフォームでMLB、NHLのOTT配信以外にHBO、WWEの配信も行っている。DisneyはBAM Techを使い、スポーツ専門のOTTサービスを始める。Disneyはスポーツ専門チャンネルとしては最大のESPNを持っているが。新しいOTTサービスはESPNとは競合しないと語っているが、DisneyのESPNがOTTを始める事は大きな影響を与える。
National Football League(NFL)はTVネットワークも持っており、そのNFL NetworkとNFL RedZoneがDishのOTT多チャンネルサービスのSling TVに加わった。NFL NetworkはSling TVの基本パッケージの「Blue」(月額$25)に加わり、木曜日の試合がOTTで視聴可能になる。NFL RedZoneは月額$5のSportパッケージに加わる。
ESPN、NFLはOTT化をする事で失った視聴者(ファン)を取り戻そうとしているが容易ではない。視聴者は減っていても収入源は多チャンネルサービスからであり、OTT化を急ぐことで収入が減少する可能性がある。
NBCUniversalはスポーツ放送にインターネットを使う事には積極的で夏季、冬季オリンピックでは全試合をストリーミングで配信している(ロンドン・オリンピックから)。リオ・オリンピックでも地上波のNBCとスポーツ専門チャンネルのNBC Sportsに加え、Bravo、MSNBC等の他のNBC系チャンネル、それにインターネットも使い積極的な配信をした。しかし、視聴者数は2012年のロンドンの時から15%も減っている。
減っているのは放送の視聴者だけでなく、インターネットも含めた物である。今回はインターネットだけで配信される試合の一部にも解説が加わり、インターネットで試合を見る人が増え、放送での視聴者が減少すると予期されていた。インターネットでの配信は21.7億時間で、ロンドンとソチでのストリーミング時間の合計の倍となった。しかし、NielsenのTotal Audience Deliveryによると、リオ・オリンピックの17日間の平均視聴者数は、地上波、多チャンネルサービス、それにインターネットを加えても2600万人で、ロンドンの時の3110万人から大きくと減った。
インターネットを加えても視聴者はなぜ増えないのか。インターネット配信はTV Everywhereで行われ、多チャンネルサービスへの加入が必要であったのがその1つの理由である。インターネットで配信されていても、多チャンネルサービスに加入していない人は見る事が出来ない。しかし、多チャンネルサービスへの加入者の減少は1~2%程度であり、15%の減少には結びつかない。オリンピックの視聴者減少が他のスポーツにも当てはまるのであれば、OTT化だけでは視聴者は増えない。
