FCCは無線通信向けの帯域を増やすためにテレビ放送を返上させ、競売する計画を進めている。これにより、最大で120 MHz(20チャンネル分)を空ける予定である。このプロセスは3つの段階にわかれている。第一のステップは、放送免許を持っている会社が対象のリバースオークションある。次に、通信事業者により競売があり、最終的に帯域の再編成が行われる。帯域の競売はこれまでに何回も行われて来たことだが、今回のプロセスでユニークな点は最初のリバースオークションである。この時点で、帯域を返上する放送事業者が十分に現れない場合、競売は成り立たない。
帯域を返上させるためにFCCは飴と鞭を使う。飴は、競売で得た収入を帯域返上をした事業者に分け与える事である。リバースオークションでは、帯域返上に関心のある事業者は返上する免許に対いして価格を付ける。同じ地域で、必要以上の事業者が返上意図を示した場合、価格が安い事業者が優先される。放送局が付けた価格を上回る入札が無い場合は、競売は成立せず、局は帯域を返上する必要無い。最低でもリバースオークションで提示した金額を得る事が保証される。競売金額が設定された金額を大きくと超えた場合、事業者への支払いも増えるが、FCCはそれがどの程度になるかは競売が終わってから決めると発表してる。帯域は再編成されるので、現在のチャンネルから動かなければならいない局が出て来る。FCCは民営局に対しては経費の80%、非営利局には90%を支払い、その為に$17.5億ドルの経費を予定している。
放送免許をいくらで売る事が出来るかは、地域で大きくと異なる。FCCの推定では、最大金額が得られるのはニューヨーク市で、平均で$4.1億ドルになる。しかし、デンバーでは平均で2800万ドルにしかならない。この見積金額に対しては高すぎるとの批判もあったが、AWS-3の競売総額が$400億を超えており、FCCのこの見積を上回る可能性は高い。
鞭は、規制等で小規模局の価値を下げ、返上した方が利益を得られるようにする事である。その1つが最近に出されたJSA(Joint Sales Agreement)の禁止令である。小規模局の多くは、広告販売を独自に行わず、より大手の局に依頼している。大手局は自社を含めた、複数の局の広告をまとめて売る。大手局とのパッケージになっている事で、広告収入は増える。これが禁止になると、小規模局は独自で広告販売を行う必要があり、収入も減少する。
どの程度の局がリバースオークションに参加するかは不明であるが、すでに80程度の局がリバースオークションへの参加の意思表示をしている。2013年には290の局が売買された。これは、2012年の95件の3倍であり、投機的な目的で局の売買が進んでいる。AWS-3の競売がFCCの最初の推定額の$100億を大きく上回る$400億を超えた事で、放送帯域返上への関心は大きくと高まっている。
競売のプロセスは2015年に開始の予定であったが、NAB、それに放送事業者のSinclairがプロセス見直しの訴訟を起こし、その結果が出るのが、2015年中旬になるため、FCCはスタートを2016年初めへと変更している。
