減っているパイロット版の制作

アメリカのテレビ業界では新しいシリーズの制作が決定される前にパイロット版が1月から4月の間に制作され、関係者向けの試写が行われる。採用されたパイロット版はシーズンの第一話となり、採用されなかったパイロット版は夏に単発として放送される。Hollywood Reporter誌によると、5大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBCとThe CW)が2018年に制作したパイロット版は76本で、2013年の98本から大きくと減っている。

パイロット版を作るかはネットワークによって違う。ABCはパイロット版が好きで、制作本数は7年間で大きな変動は無い。Foxは以前からパイロット版には頼らないネットワークで、2018年は11本しか制作しなかった。NBCの考えは2017年から変化をした。それまではABC並みの規模でパイロット版を作っていたのが、2017年から大きくと減らしている。

5大ネットワークのパイロット版制作本数

 

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

ABC

23

24

24

25

27

24

24

CBS

18

17

17

18

19

23

16

NBC

15

14

22

23

27

27

23

Fox

11

13

19

15

16

16

16

The CW

9

6

6

4

6

8

8

合計

76

74

88

85

95

98

87

Hollywood Reporter

パイロット版が制作されたか、されなかったかによる成功率には大きな違いはない。Ampere Analysisによると、パイロット版があったシリーズの失敗率(1年でキャンセル)は56%であった。これに対して、パイロット版が無かったシリーズの失敗率は64%である。パイロット版がある方が成功率は高いが、大きな差で無い。

Netflixは全くパイロット版は作っていない。Amazon Prime Videoは、以前はパイロット版を制作していた。Amazonの場合、TVネットワークとは違い、関係者だけが見て決めるのでは無く、Prime Videoで配信し、視聴者の反応でシリーズ化をするかを決めていた。視聴の評判は良かったが、中止になっている。理由はパイロット版を作って、視聴者の評判が高くても、パイロット版無しの番組との成功率は変わらず、パイロット版を作るだけ、時間と金がかかりり、制作決定も遅くなるである。

Netflixはまったくパイロット版には頼らず、データ分析でシリーズ化の決定をしている事で有名だが、果たしてその方が成功率は高いのか? Ampere Analysisによると、2012年から2018年間のNetflixのシリーズ失敗率は61%であった。TVネットワーク全体の60%と全く同じである。パイロット版の無かったTVネットワークのシリーズの63%は2年目でキャンセルされている、これに対してNetflixのシリーズの64%は2年目でキャンセルされており、同じである。パイロット版があっても無くても、また、その決定にデータ分析を使っても、使わなくても結果は同じと言う事である。