4月に開催されたNABの参加者数は103,012人で、昨年(103,119人)とほぼ同じであった。出展者数は 1,874社で、昨年の1,789社より5%増えた。NABの大きな話題はIPへの移行であった。IP化はここ数年の話題であるが、昨年のNABでDisney/ABCがプログラミングから送出までフルIP化する事を発表したように、将来の技術では無く、現実的なソリューションになっている。
IP化の背景にはテレビ番組の視聴が放送からストリーミングに急速に進んでいる事がある。先月号で書いた様に、テレビ放送(ライブ+タイムシフト)視聴の時間が減っており、特に12歳から34歳での視聴時間が大きくと減っている。
34歳以下のテレビ放送視聴時間が減っているが、「テレビ離れ」が起きている訳ではない。18歳から34歳の世代におけるOTTでのSVODの利用率は66%で、全世代平均の50%より遥かに高い。インターネットで配信されているテレビ番組は見ているが、放送は見ていないので、これは媒体としての放送離れである。
アメリカでは多チャネルサービスでテレビ視聴をして来た。18~34歳における多チャネルサービスの利用減少がこの放送離れの大きな原因になっている。Nielsenは18~34歳における多チャネルサービスへの利用率を調べた結果を発表している(The Total Audience Report Q4 2016 – http://goo.gl/ICZvvG)。この調査では、Nielsenはこの年齢層をさらに親と同居、独立/独身、独立/既婚の3つのグループに分け、それぞれの多チャネルサービス利用率を調べた。
親と同居のグループにおける多チャネルサービスの利用率は88%である。サービスには親が加入しているので、利用率は全年齢平均の86%とほぼ同じである。しかし、残りの2つの独立しているグループでは多チャネルサービスの利用が9ポイント以上も低い。
独立し、結婚しているグループにおける多チャネルサービスの利用率は79%で、独立し、独身のグループではこれよりさらに低い72%となっている。多チャネルサービスを利用していないから地上波の視聴が多い訳でもない。地上波放送だけを利用している人はこの世代平均で12%で、全体平均の11%とくらべて特に高くはない。これに対して、独立/独身グループの16%はブロードバンドでテレビを見ており、このグループでは放送離れが明らかである。
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Nielsen
家庭を持った18~34歳の層における多チャネルサービス利用は同じ年齢層の独身者よりは高いが、全年齢平均の86%はかなり低い。ブロードバンドのみでのテレビ視聴は6%で、全年齢平均の倍である。独立した18~34歳の層に多チャネルサービスに加入する動機を与える事が出来ないと放送離れは今後さらに大きくなっていく。
AdobeとThe Diffusion Groupの調査によると、すでにアメリカの成人のテレビ視聴時間の58%は放送で、42%はストリーミングになっている。このトレンドが続けば、テレビ視聴視聴における放送のシェアが過半数を割るのは近い将来である。
![ImageCapture[05-06-2016-6]](https://www.nsirinc.com/compass/wp-content/uploads/2016/05/ImageCapture05-06-2016-6-650x231.jpg)
AdobeとThe Diffusion Group
