子供向けOTTサービス

子供に見せるビデオコンテンツの媒体としてOTTを好む親が増えている。決まった時間のに放送番組より、オンデマンドの方が時間の管理が容易になる。子供向けの調査を専門とするGiraffe Insightsによると2歳から12歳の子供の35%はテレビ放送を全く見ていなく、デジタル・プラットフォームでしかリーチ出来なくなっている。子供向けのデジタル・プラットフォームのトップはYouTubeで85%が利用している。

YouTubeには子供には適さないビデオをフィルターし、見ている子供の年齢に沿ったビデオを配信するYouTube Kidsがある。しかし、フィルタリング/キューレーションはAIで行われており、子供に適さないコンテンツが紛れ込むこともある。子供にポピュラーなキャラクターを違法で使い、意図的にAIを騙し、性的なビデオ等をYouTube Kidsを紛れ込ませるいたずらもある。YouTube Kidsを含め、子供向けAVODは子供対象の広告だけを配信している訳ではない。子供向けビデオは親が一緒に見ている場合も多い。視聴デバイスがCTVであれば、親も一緒に見ている可能性が高いと判断し、自動車等の宣伝が入る。しかし、これもAIで行われており、子供には不適切な広告が配信される場合もある。

キューレーションをAIで行わず、人間が行うことでこのような問題を避けようとしているサービスもあるが、子供向けには広告の無いSVODを好む親も多い。S&P Global Market Intelligenceが行った調査ではアメリカのSVOD加入者の62%はSVODサービスに加入している理由の1つに子供向けコンテンツの存在があると答えている。Giraffe Insightsの調査でもYouTubeに続く大きな子供向けデジタル媒体はSVODで、71%が利用している。SVODサービスには子供向けコンテンツが大切で、Disneyのように豊富な子供向けコンテンツが無い事業者は子供向け番組のライセンスをする必要ああり、HBO MaxのSesame Streetとの契約は高く評価されている。Giraffe Insightsによると、子供が見ているSVODサービスのトップは61%のNetflix、53%のDisney+で、3位以降はAmazon Prime Video、Hulu、HBO Maxとなっている。


Giraffe Insights

テレビで放送される子供向け番組の広告に対しては広告時間は1時間の放送枠に平日は12分、週末は10.5分までとの規制、それに番組と広告の違いを明らかにするように間に無関係のコンテンツを挟むことが義務付けられている。デジタル媒体に関してはChildren’s Online Privacy Protection Rule(COPPA)があり、13歳以下向けのウェブサイトとデジタルサービス(アプリ、スマート・トイ等)等に対して親の許可無く、子供の個人情報を得る事が禁止されている。氏名等をだけでなく、クッキー等の子供の行動をトラック出来るIDの利用も許可無しでは使うことは出来ない。

COPPAの執行はFederal Trade Commission(FTC)が行っており、1件の違反に対して最大で$42,280の罰金を課すことが出来る。FTCは2019年2月にByteDanceに対して、TikTokアプリの違反として、これまで最高の$570万の罰金を課し、ByteDanceはこれを支払った。しかし、この記録は同年11月にYouTubeに破られた。YouTubeはFTCとの和解の一貫として、罰金額が$1.7億ドルであったことを公開し、YouTube上の事業者に対して子供向けコンテンツであることを表示することを徹底する等の対策を発表している。