多チャンネルサービスへの脅威はHulu

Netflixの普及により多チャンネルサービスの必要性が減り、コードカッティングが起きると恐れられていた。多チャンネルサービスは加入者を失っているが、その減少は劇的ではない。ComScoreが発表した「State of OTT」(https://goo.gl/c3Hp9q)によるとOTTを視聴している世帯における多チャンネルサービス加入率は66%である。全世帯における多チャンネルサービス加入率は80%であるので、OTT世帯における多チャンネルサービス加入率は低い。OTT利用者で多チャンネルサービスに加入していない34%の世帯の内訳は16%がストリーミング+地上波で、18%は完全にストリーミングであり、地上波との併用を少しだが上回っている。


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ストリーミングだけの世帯ではOTT利用世帯全体よりもOTTビデオの視聴時間は多い。ComScoreよるとOTTビデオを視聴している世帯では月平均で49時間のOTTビデオを見ている。これに対して、ストリーミングだけの79時間のOTTビデオを見ている。また、コードカッター(過去に多チャンネルサービス加入)とコードネバー(多チャンネルサービス未加入)とではOTTビデオの視聴時間が違い、コードカッターの方が81時間で、コードネバーの61時間を上回っている。

多チャンネルサービスに加入している世帯ではOTT視聴に加え、225時間のテレビ視聴もあるので、コードネバーとコードカッターはテレビ視聴時間が短く、特にコードネバーが少ない。多チャンネルサービスはテレビを見ることを教え、コードカッターは多チャンネルサービスを脱退後もテレビを見るが、コードネバーはテレビに対する関心が低い事になる。


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OTT視聴時間をサービス別にすると、Netflixが40%で最も多く、YouTubeが18%、Huluが14%、Amazonが7%と続く。利用者数としてはYouTubeの方がNetflixより多いが、Netflixのコンテンツの方が長いので視聴時間のシェアはNetflixが高くなる。SVODサービスとしては2位はAmazonで、3位のHuluより倍以上の加入者がいるが、視聴時間のシェアではHuluの方が高い。


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それぞのサービス利用者の視聴時間ではHuluがNetflixを上回っている。Netflix加入者のNetflix視聴時間は月27時間であるのに対して、Hulu加入者のHulu視聴時間は29時間と長い。ストリーミングだけの世帯でもNetflixは36時間で、Huluは37時間である。これに対して、Amazonは全体で11時間、OTTだけの世帯でも14時間と少ない。3大SVODの利用者としてはNetflix(54%)、Amazon(27%)、Hulu(11%)の順(TiVO調べ)だが、視聴時間としてはHulu、Netflix、Amazonの順である。


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Amazonの利用者は多くても、視聴時間が低いのはSVODサービスはPrime会員の特典の1つであり、それ以上に送料無料の特典の方が重視されていると想像出来る。しかし、なぜHuluの視聴時間が一番長いのか? Huluは現シーズンのテレビ番組をストリーミングしている事が最大の特徴であり、多チャンネルサービスの代理に使われている為と推測される。Netflixは多チャンネルサービスをリプレースするのではなく、補充するサービスであるのに対して、現シーズンのテレビ番組を配信しているHuluは多チャンネルサービスと同様にTV番組を見るのに使われている。

M2 Science社が行った調査によると、Netflix加入世帯と全世帯が多チャンネルサービスに使っている月額はNetflix世帯が$1低いだけであり、Netflixへの加入は多チャンネルサービスに大きな影響は与えていない事が分かる。これに対して、Hulu加入者が多チャンネルサービスに使っている月額は全世帯平均より$10~$15も低い。Netflix世帯の方がHulu世帯より多いので同じ比較は出来ないが、10倍以上の差では無く、Hulu加入世帯は全世帯平均よりも多チャンネルサービスに加入していない可能性は高いと言える。

Hulu加入者間では多チャンネルサービスの利用が少なく、多チャンネルサービスの代理に使われているのであれば、OTTベースの多チャンネルサービスとしてHuluが最大の可能性を持っている事になる。Hulu with Live TVに加入すればライブ放送、主要な番組のキャッチアップ、それに映画を含めたVODを利用出来る。VODのライブラリーではNetflixに負けるが、ライブ放送を加える事で強力な挑戦者になる可能性がある。