加速するATSC 3.0

年末になり、ASTC 3.0の放送を開始した地域が急速に増えた。ウェストバージニア州のチャールストンでは6局、ノースカロライナ州のグリーンズボロでは4局、テキサス州ヒューストンでは10局、ミズーリ州のスプリングフィールドでは4局、ロサンゼルスでは3局、ワシントンDCでは5局がATSC 3.0での放送を開始した。これにより、ATSC 3.0での世帯カバー率は45%程度になっているが、2021年末での目標であった70%は、パンダミックにより達成することが出来なかった。

ワシントンDCはでは別途、Sinclair保有の低出力局のWIAVもATSC 3.0での放送を正式に開始した。WIAVはこれまでにもATSC 3.0のテスト放送を行っていた。WIAV等の低出力局は通常の放送局とは異なり、ATSC 1.0での放送を続ける必要は無く、3.0に切り替えることが出来る。ペンシルバニア州ハリスバーグではNexstarのABC加盟局のWTHMが低出力局を使い、ATSC 3.0での放送を開始した。

ATSC 3.0での放送が増えているだけでなく、対応のテレビも増え始めた。これまで、ATSC 3.0対応のテレビを発売しているベンダーはSamsung、SonyとLGの3社だけであったのが、2022年のCESでHisenseが新たにATSC 3.0対応のテレビを発表した。HisenseのATSC 3.0対応のテレビはU9H、U8H、U7Hの3機種があり、U7Hは$800で、もっと安いATSC 3.0対応のテレビとなる。ATSC 3.0対応のテレビの2021年の出荷台数は300万台であった。

別のATSC 3.0関連のニュースで、同技術を使ったデータキャスティング(Broadcast Internet)事業を狙っているARK Multicastingはダラス(テキサス)とパナマシティー(フロリダ)2つの局でATSC 3.0の放送を開始した。ARK Multicastingは283の低出力局の放送許可、あるいは開始許可を持っており、これらを使い、全米規模のBroadcast Internet網を構築する。2022年Q1中には8つの局でATSC 3.0の放送を開始する。

ニューメキシコではSpectraRepの教育向けデータキャスト技術のEduCastを使った遠距離教育のテストが開始になった。ニューメキシコのPBS局のKENW(Eastern New Mexico University保有)とKRWG(New Mexico State University)の2つの局が2000人の生徒のChromebook等のデバイス向けに教材の配信を行う。2000台のチューナの配布は11月に始まっている。

また、ジャマイカも次世代放送規格にATSC 3.0を採用する事を決定し、韓国、アメリカに続き、3つ目の国になった。ジャマイカは1年前にATSC 3.0採用の予定を発表しており、昨年12月にジャマイカの2つの放送局の1つであるTelevision JamaicaのATSCへの加入が認められた。