ローカルニュースを配信するNewsOn

OTT化は地上波局に取り良いことではない。アメリカの場合、殆どの地上波局はローカルニュース以外は制作していない。中にはローカルニュースの制作も同じ地域の他局にアウトソースし、自社のコンテンツは全く無い場合もある。ローカルニュースがあったとしてもニュースのOTT配信をマネタイズする事は難しい。自社のウェブサイトでニュースを配信しても、ビデオ広告、バナー広告で収入を得るのは難しい。

ニュースの配信ネットワークとして2012年にNews Distribution Network(NDN)がスタートした。NDNはネットワーク、ローカル局等からニュースクリップを得、それに広告を挿入し、新聞社等のウェブサイトに配給していた。NDNは一時的に成功する。新聞社等のニュース系のウェブサイトはニュースビデオを求めており、NDNに飛びついた。しかし、NDNの成功は長く続かない。NDNからビデオを得ていたウェブサイトも自らビデオ制作を始める。それらのビデオもNDNで配信される事になり、供給過剰になる。結局、需要の高いビデオは流通するが、ローカルなニュースビデオは使われない。

NDNの次に登場したのがNewsOnである。NewsOnは地上波局を持つABC Owned Television Station Group、Cox Media Group、Hearst Television、Media General、Raycom Mediaが投資しており、2015年にサービスを開始た。NewsOnはローカルニュース配信のプラットフォームで、オンデマンドだけでなく、ライブでの配信も行っている。NewsOnアプリをスタートすると利用者の現在(あるいは指定した)地域のニュース放送がすぐにスタートする。ニュースが放送されている時間であれば、サイマルキャストで、それ以外の時間帯はもっと最近のニュース番組が配信される。特定のニュース、あるいは分野だけをオンデマンドで見る事も出来る。地域と局を指定する事も可能であり、旅行中にも地元のニュースを見続ける事が出来る。アプリはiOS、Android、それにRokuが提供されている。

NewsOnは最近新たに14局を加え、210ある放送市場の内、108市場で163局のニュースを配信している。ローカル局の緊急警報をアプリで受け取るサービスを最近始めており、警報を流している局のニュースをすぐに見ることを可能にしている。

ニュース番組は放送されてから24時間から48時間(局により異なる)視聴可能になっており、広告は放送時と同じある。クリップとしてオンデマンドで視聴出来るニュースは数分から十数分で、ニュース番組の一部、あるいはオンライン配信の為に再編集した物である。ニュース中の広告は局が売るが、プリロールはNewsOnが売っている。