Comcastは同社の次世代ネットワーク向けのSTB(RNG = Real Next Generation)戦略を発表した。これはアナログ無しのフルデジタルネットワーク向けのSTBで,Comcastはローエンド,ミッドレンジ,ハイエンドの3つのタイプを提供する。ローエンドのRNG100としてはSamsungから20万台の標準解像度のSTBを購入する(オプションで50万台追加可能)契約を結んだ。このSTBはDOCSIS 2.0を内蔵し,OCAPに対応し,MPEG-2とMPEG-4の両方をサポートする。ミッドレンジではPanasonicのDVR内蔵のHD対応STBをRNGT200として採用する。Panasonicとは最低で25万台のSTBを購入する契約を結んだ。また,ComcastとPanasonicは共同でOCAPのエクステンションを開発し,OCAPのエクステンション対応の製品はSTBのリモコンから全て操作可能にする事を予定している。
Panasonicが提供するHD対応のDVRタイプのSTBは現在ではハイエンドであるが,これがRNGではミッドレンジとなっている。RNGのハイエンドのSTB,RNG1000はメディアセンター機能を持つ物で,まだ開発中であり,ベンダーは未定と発表されている。
多チャンネル環境を想定したホームメディアセンター環境としてはDigeoのMoxi Media Centerがある。Charter等のMSOがすでにMoxiを採用しており,ComcastもMoxiのテスト導入を行っている。次世代バージョンのMoxi IIでは複数のクライアントSTB,Moxi Mateをサポートし,マルチルームのネットワーク環境を構築出来る。Motorolaが新しく発表したSTB,QIPシリーズは同軸ケーブルを使った高速ホームネットワークのMoCAをサポートし,STB間,あるいはPCとコンテンツの共有が出来る。
よりPCとの接続環境を意識したソルーションの1つにIntelのViiv(ヴァイヴ)がある。Viivはホームネットワーク上のビデオコンテンツのトータルなソルーションであり,ビデオコンテンツを著作権保護をしたままでサーバー,STB,TV等の間で配信する事を可能にする。Viivは家庭内のサーバー,ネットワーク,クライアントの仕様だけでなく,コンテンツの販売から,ユーザインタフェースまで,トータルなソルーションを提供しようとしている。DBS事業者のDirecTVはViivをサポートする事を発表している。
Viivのサーバーは現時点ではMicrosoft Media Center PCになっているが,Microsoftは独自でメディアセンターのソルーションを提供している。同社の次世代OSであるVistaはCableLabsからOpenCable対応の認定を受けており,Vistaを搭載したPCにCableCARDを使ったチューナカードを搭載し,デジタルケーブル対応のメディアセンターとして使うことが出来る。MicrosoftはMedia Centerのエクステンション,MCXを開発しており,MCXを搭載したTVではMedia Center PC上の著作権保護されたビデオコンテンツを見ることが可能になる。このソルーションはCableCARD搭載のTVと同じで単方向であり,VOD等のアプリケーションには対応していない。しかし,MicrosoftはそのSTB向けのOSのMicrosoft TV Foundation EditionはOCAP互換になり,さらにMCXにも対応すると発表しており,いずれはVista Media Center PCもOCAP対応になるであろう。
この他,S-Aの買収を行う予定のCiscoも当然,ソルーションを開発中であろうし,また,iPodによりネットワークからのコンテンツ購入に火を付け,ビデオコンテンツの販売も始めているAppleがこのトレンドを全く無視しているとは考えられない。さらに,ビデオに力を入れ始めているポータルのYohoo!,Google等もメディアセンターへの関わりを強めてくるであろう。Yahoo!はPCに接続されたTVでウェブ,ネットワーク上のビデオ,さらにPC上のマルチメディアコンテンツにアクセスする事を可能にするソフトウェアのYahoo Go TVをCESで発表している。CBSのTV番組等の販売を始めたGoogleにはまだメディアセンター的なソルーションはないが,GoogleはPC向けのソフトウェアGoogle Packの提供を始めており,いずれはこれにメディアセンター的なソフトウェアが加わると噂されている。
