以前、Netflixは息が長いドラマ等には金を使うが、殆どがライブ視聴のスポーツには投資しないと言っていた。しかし、それはテレビネットワークがストリーミングに参入する前の話である。TVネットワークの参入により大きな競合が登場しただけでなく、ストリーミング事業の「放送化」をもたらした。Netflixのストリーミングの考えには番組表的なものは存在しなかった。一度にシーズン分の全話が配信され、いつ見るかは視聴者の勝手であった。
テレビネットワークの参入はこれを変えた。放送番組の配信であれば、視聴可能になるのは放送からきっかり24時間後で、ストリーミング向けのコンテンツも放送と同じに週に1話の配信であった。Netflixも全話まとめてのリリースではなく、分割するようになっている。また、スタンドアップ・コメディー等はライブ配信ではなくても、リリースの日時を発表し、同時視聴者を増やすようにする等、スケジュールの要素が取りいられ始めている。
もう1つの大きな「放送化」は広告収入である。Netflixは広告を付けことはありえないと言っていたが、競合が登場し、価格を安くすることが重要になり、広告付きプランを開始する。広告収入はNetflixのコンテンツの投資に対する考えを変える。オンデマンドのサブスクリプション収入の場合はロングテールのコンテンツが効率的である。しかし、広告収入を得る場合は、ロングテールよりも一度に多くの視聴者を集めるスポーツ等のライブイベントが効果がある。NFLの権利料は高価だが、スーパーボウルは1試合で、$8億の広告収入が得られる。

eMarketer(ストリーミングにはvMVPDでの視聴が含まれる)
スポーツにはもう1つ、新規加入者を得る効果がある。Netflixはジェイク・ポールとマイク・タイソンのボクシング、そしてクリスマスの2つのNFL試合を配信し、スポーツに本格的に参入しが、Antennaによると、ポール対タイソンのマッチは140万人、クリスマスのNFL試合は70万人の加入者をもたらした。Netflixはすでにアメリカで女子サッカー・ワールドカップの2027年と2031年の配信権利得ている。また、2026年からのF1の配信権を狙っているようだ。アメリカのF1の放送権は2018年からDisneyのESPNが得ているが、2025年で完了する。ESPNは契約を更新する予定はなく、NetflixとNBCUniversalが入札すると噂されている。

Antenna
さらに、NFLのシーズンを通じた配信権を手に入れることも検討していると報じられている。NFLの現在の放送権は11年で、2022年から2033年までのものだが、NFLには7年目に契約を見直す権利がある。NetflixはParamount Globalが持つNFCの日曜午後の権利、あるいはFoxが持つAFCの日曜午後の権利を狙っているとスポーツ・ニュースのメディアが報じている。NFLは試合のストリーミングでの配信を増やし、若い視聴者を増やそうとしている。Amazonの木曜夜の試合の視聴者年齢は49歳で、テレビでのNFL視聴者よりも7歳若い。NFLに取り、Netflixとの契約は魅力的である。
