調査会社のKagan社によると、OTT多チャンネルサービスの増加分を含まない既存多チャンネルサービスの加入者は第2四半期に97.6万世帯減った。Nielsenの視聴者統計では第1四半期のテレビ放送の月間視聴時間は昨年同期から17時間減っている。テレビ離れが進んでいる様だが、9月に始まった2017/2018年のTVシーズンの視聴世帯数は昨年から1%増え、1.196億世帯となっている。テレビ離れが進んでいるのに、テレビ視聴者はなぜ増えているのか?
テレビ視聴世帯は2013年期に前期の1.147億から減り、1.142億になったが、2014年期には1.158億に増え、その後も増え続けている。しかし、テレビ受像機の販売台数には特に変化は無く、過去6年の年間販売台数は4000万台前後で、2015年からは4000万台を下回り始めている。テレビ受像機の販売台数が減っても、視聴世帯は増えている。
この理由はNielsenのTV視聴世帯の定義が2014年期に変わった為である。それまではテレビ世帯とはテレビ受像機を持ち、地上波、あるいは多チャンネルサービスでテレビを視聴出来る環境がある世帯であった。テレビ受像機は持っていてもゲーム機の為であり、地上波アンテナ、あるいは多チャンネルサービスへの加入が無ければテレビ世帯では無かった。新しい定義ではテレビ受像機を持ち、地上波、多チャンネルサービス、あるいはインターネットでテレビを視聴出来る環境のある世帯になっている。地上波アンテナ、あるいは多チャンネルサービスへの加入が無くても、ブロードバンドに接続されたテレビがあれば、テレビ世帯である。
この定義の変更が無く、視聴媒体が地上波、あるいは多チャンネルサービスのままであれば、テレビ世帯は減り続けているであろう。テレビ世帯が増えているのはブロードバンド接続されたスマートTV、あるいはゲームコンソール、ストリーミング・プレーヤ等が接続されたコネクテッドTVだけでテレビを見ている世帯が増えている為である。多チャンネルサービス加入世帯が減ってもテレビ世帯は増え、また、ブロードバンド経由のOTTサービスの視聴時間が増える事でテレビ放送の視聴時間は減少する。
ブロードバンドだけでテレビを視聴している世帯は2016年第1四半期では3%であったのが、5%に増えている。テレビ視聴世帯の定義の変更が無ければ、テレビ世帯は約500万世帯少ない訳である。

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