多チャンネル事業者は、そのビデオサービスをスマートフォン、タブレットPCに対応させようとしている。AT&TはU-VerseのアプリケーションをiPhone向けに発表した。このアプリケーションは、iPhoneで録画予約等のDVRの管理を可能にするだけでなく、録画された番組をDVRからWiFiでダウンロードし、iPhoneで見ることを可能にする。ダウンロード出来る番組は、ネットワークの了解が得られた番組に限られ、現在の所、ABC/Disney、Discovery、PBS系の52個の番組がこれのサービスをサポートしている。サービスは無料だが、利用出来るのは、上位パッケージのU300に加入している世帯に限られる。
TiVoの戦略(アップデート)
ケーブルTV事業者とのパートナー戦略を狙っているTiVoは、Coxと契約を結ぶことに成功した。SuddenlinkとRCNの様に、CoxはTiVoのPremiere HD-DVRをサポートするが、SuddenlinkとRCNの場合は、事業者がTiVoのSTBを提供するのに対して、Coxは市販されたPremiere HD-DVRをCoxのケーブルTVサービスで利用出来るようにする。
AppleがApple TVをアップデート
IPod、iPhone、iPadが大きな成功をしたのに比べると、2007年に発表されたApple TVはかなりの見劣りがする。Appleは2008年の第4四半期に、Apple TVの売上げは前年同期の3倍になったと発表しているが、何台の出荷があったかは公開していないので、どの程度の成功であるのかは分からない。TVでインターネットビデオを見る製品としては、Netflixがスピンオフした、Rokuが有名になっている割りに、Apple TVは話題にはなっていない。RokuとこれまでのApple TVの大きな差は、Rokuにはストーレッジが無く、$100程度で市販されていたのに対して、HDDを持つApple TVの価格は発表時では$299であった。
新アクセシビリティー法
STB視聴データの標準化
ケーブルTV、衛星放送、それにIPTV事業者は、STBから得ることが出来るリアルタイムの視聴データの標準化に向けたガイドラインを作る組織を立ち上げた。組織は、ケーブルTV事業者のローカル広告を販売する為に設立さているNCC Mediaが管理し、Media Rating Council(MRC)と協力し、データの標準化を作っていく。MRCは1960年代に議会の命令により設立された組織で、様々なメディアの利用調査の監視を行っている。前回のThe Compassでも書いたように、Coalition for Innovative Media Measurement(CIMM)が、STBからの視聴データを収集する方法を研究する為に設立されている。
