NAB Showの変化

ラスベガスで最大の展示会はCESである。2015年にCESの親組織のConsumer Electronic AssociationはConsumer Technology Association(CTA)になり、家電からコンシューマ向けテクノロジーの展示会にシフトをしたことで、CESは大成功をした。2位はNAB Showで、親組織のNational Association of Broadcastersはローカル局所有会社の代表です。放送離れが進むとともにNAB Showは魅力を失って来たが、CTAのようにピボットをすることが出来ずにいる。

ATSC 3.0放送の新たな動き

ATSC 3.0へ移行するための帯域の割当はなく、さらにATSC 1.0での放送を引き続き行う規制がある。移行する局は同じ地域の放送局とパートナーシップを組み、それら局の主チャンネルをATSC 3.0で放送してもらう代わりに自局の主チャンネルとサブチャンネルをATSC 1.0で放送してもらう必要がある。ATSC 3.0局は1つのチャンネルで4、5局分の放送をしており、4K等の高度な放送をするための帯域の余裕はない。そのため、ATSC 3.0での放送は1.0と大差なく、ATSC 3.0を見る必要性はなかった。しかし、ATSC 3.0のリーチは75%近くに達し、ビルドアウトのステージはほぼ完了し、利用の普及に向けた動きが始まっている。

ショートビデオサービスの成功

TiVoのVideo Trend Reportの2023年Q4版(https://bit.ly/3vPhYhO)によると、スマートTVを所有している人は2022年の73.6%から増え、76.4%になっている。Hub Entertainment Researchも2024年Q1では79%の世帯がスマートTVを所有していると報告している。スマートTVで長編ビデオを見るだけでなく、ユーザ投稿コンテンツ(UGC)を見る人も増えている。TiVoによるとソーシャルビデオを視聴するプラットフォームのトップはスマートフォンの39%で、2位はスマートTVで、30.5%になっている。

ストリーミングサービスはピークしたのか

ストリーミングサービス加入者が伸び悩んでいる。TiVoが毎四半期に発表しているVideo Trend Reportの2023年Q4版(https://bit.ly/3vPhYhO)によると、状況は予想以上に深刻である。利用しているビデオサービス(多チャンネルサービスも含む)の数は2022年Q4の11.5個から減り、11.1個になっている。減少しているのは有料サービスで、昨年の7.6個から7,1個に減っている。無料サービス(AVOD/FAST)は増えたが、3.9個から4.0個になっただけである。無料サービスの登場でSVOD(広告付き含む)への加入者が増えなくなったと言われてきたが、AVOD/FASTの成長も無く、ストリーミングサービスのピークが過ぎた可能性がある。

AI法案が提出される

カリフォルニア州からの下院議員のアダム・シフは「Generative AI Copyright Disclosure」法案を提出した。この法案は著作権がある作品がデータセットにある生成AIを使い制作した作品を公開する際、どの作品が含まれている化を著作権局に報告することを義務化する。ハリウッド