AT&Tは2月にDirecTV、Uverse TV、それにAT&T TVの多チャンネルサービスを新生DirecTVとしてスピンオフしたのに続き、WarnerMediaも別会社化する。DirecTVでは株の30%を投資会社のTPGに売り、AT&Tが70%を保有している。WarnerMediaでも同様な作戦で、スピンオフしたWarnerMediaはDiscoveryと合併させ、Warner Bros. Discoveryとなり、AT&Tが71%、Discoveryが29%を保有する。
株の保有額はAT&Tが多いが、経営はDiscovery が行い、同社の現CEOのデイビッド・ツァスラブ氏が新会社のCEOに就任する。WarnerMediaの現CEO、ジェイソン・カイラーは合併が完了するまでWarnerMediaにいる。
新しい会社はWarnerMediaのHBO、HBO Max、TBS、CNN、Warner Brothers、それにDiscoveryのDiscovery Network、Food Channel等のドキュメンタリーとハウツー物のネットワークを持つコンテンツ事業者になる。Q1のWarnerMediaの売上は$85.3億、Discovery は$27.9億で、AT&TとDiscovery は新会社の2023年の売上は$520億に達すると発表されている。発表によるとこの内の$150億はストリーミング・サービスからの収入となる。
SVODサービスとしてはWarnerMediaはHBO Max、DiscoveryはDiscovery+を持つが、これらを統合するのかが、あるいは別のサービスとして残すのかは発表されていない。AT&TがWarnerMediaと同時に買収した広告プラットフォームのAppNexusをベースに作られた広告部門のXandrはAT&Tに残り、Warner Bros. DiscoveryはXandrを広告プラットフォームに使う。
WarnerMediaのスピンオフとDiscovery との合併は2022年中期に完了の予定である。AT&TはDirecTVとWarnerMedia/Discoveryの株主になるが、別会社となるので実質的にはメディア事業からは撤退することになる。AT&Tがメディア事業から撤退したのはこれで2回目である。1999年にAT&Tは当時では最大のケーブルTV事業者であったTele-Communications, Inc.(TCI)を買収した。しかし、TCIを活かす事は出来ず、その資産は2002年にComcastとCharterに売却している。これにより、Comcastがアメリカ最大のケーブルTV事業者になった。
また、最近のメディア事業から撤退したのはAT&Tだけでない。Verizonは4月にAOL、Yahoo等の資産で構成されているVerizon MediaをApollo Global Managementに売っている。T-Mobileは昨年10月にvMVPDサービスのTVisionを始めたが、6ヶ月後の4月末でサービスを終了させた。Verizonはまだ、FiOS TVを提供しているが、加入者は377万世帯に落ちており、大手通信事業者の3社ともにメディア事業は諦め、5Gにフォーカスすることになる。
