多チャンネルサービス

アンテナ視聴は増えるか?

アメリカのテレビ放送市場の大きな特徴は多チャンネルサービスが普及しており、地上波も多チャンネルサービスで再送信され、アンテナでの視聴が少ない事である。これには歴史的な背景がある。テレビ放送の開始時、放送局開設の申請が殺到し、放送局認可が一時ストップした。これを埋めたのがケーブルTVで、放送局のない地域に隣接地域からの放送を「輸入」した。放送局が開設された後でも、国土が広いアメリカでは電波が届かない地域も多く、放送の普及にはケーブルTVは不可欠であった。

その後、地上波の再送信だけでなく、HBO、ESPN等のケーブルTV専門のネットワークも誕生し、多チャンネルサービスに加入するテレビ世帯は増加を続け2009年に88%に達し、アンテナでのテレビ視聴者は少数派になる。ここ数年、多チャンネルサービスの加入率は減ってきたが、地上波アンテナ世帯は増えなかった。テレビを見るには多チャンネルサービスが当たり前であり、アンテナでテレビが見られると言う事を知らない人も少なくない。

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第2四半期の加入者減少

第2四半期は多チャンネルサービスの加入者数が減る時期であり、今期は特に大きく、過去最大の130万世帯の減少になるとアナリストは予測していた。AT&Tの加入者減少は大きくU-verseとDirecTVは合計で35.1万世帯を失った。しかし、OTT多チャンネルサービスのDirecTV N

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多チャンネルサービスへの脅威はHulu

Netflixの普及により多チャンネルサービスの必要性が減り、コードカッティングが起きると恐れられていた。多チャンネルサービスは加入者を失っているが、その減少は劇的ではない。ComScoreが発表した「State of OTT」(https://goo.gl/c3Hp9q)によるとOTTを視聴している世帯における多チャンネルサービス加入率は66%である。全世帯における多チャンネルサービス加入率は80%であるので、OTT世帯における多チャンネルサービス加入率は低い。OTT利用者で多チャンネルサービスに加入していない34%の世帯の内訳は16%がストリーミング+地上波で、18%は完全にストリーミングであり、地上波との併用を少しだが上回っている。


ComScore

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OTT多チャンネルサービスでの地上波

6つのOTTベースの多チャンネルサービスが始まっているが、まだ4大ネットワークをすべての地域で同時配信しているサービスは存在しない。これまで同時配信が行われてきたのはネットワークが局を保有する地域に限られていた。加盟局は独自に制作、あるいは調達した番組も放送しており、その権利処理が問題になる。また、ネットワークと加盟局間の収益分配も問題であり。

CBSはAll Accessで同時配信を行っており、その場合は加盟局に対してその地域の加入者からの収入をシェアする事で契約をしている。CBSは同様な契約でOTT多チャンネルサービスでも加盟局の多くと同時配信の合意をしている。しかし、CBSが求める再送信契約は高価で、Sling TV、DirecTV NowはCBSと契約していない。しかし、CBSもOTT多チャンネルサービスで同時配信をする事に積極的になっており、最近、FuboTVと契約をした。FuboTVとの契約にはCBSだけでなく、CBSとTime Warner合弁の地上波ネットワークのThe CWも含まれており、早ければ夏の終わりまでには一部の地域でThe CW局をOTT多チャンネルサービスでも見る事が可能になる。これは、4大ネットワーク以外で最初のOTT多チャンネルサービスでの同時配信となる。

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半数以上はスポーツ中継に無関心

多チャンネルサービスの基本料金の値上がりはESPN等のスポーツ専門のネットワークが原因している。放送サービスの維持のためにはライブである事が重要なスポーツ中継は欠かせないと言われている。しかし、CutCableTodayが行った調査によると、多チャンネルサービス加入者の52.5%はスポーツチ

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CenturyLinkのOTT多チャンネルサービス

電話事業者としては3位のCenturyLinkもStreamと呼ばれるOTTベースの多チャンネルサービスのベータテストを開始した。基本パッケージの価格は$45で、CenturyLinkのブロードバンドサービス加入者には$5の割引がある。サービスには約50のチャンネルとクラウドDVRが含まれる

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Sling TVの話題

OTTベースの多チャンネルサービスとして最初にスタートしたSling TVはUIの機能に番組表を追加した。Sling TVのこれまでのUIはSVODと同様なグラフィカルな物であった。DishはSling TVは既存の多チャンネルサービスと異なりチャンネル番号のコンセプトは無く、番組表は無意味

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FuboTVの話題

6つあるOTT多チャンネルサービスの内、FuboTVが唯一大きな親会社を持っていないサービスだが、6月にNorthzone、Fox、Scripps、Skyから新たに$5500万投資を得た。2015年1月にスタートした同社はこれまでに$7500の投資を得ている。FuboTVはまた、CBS局、C

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ATSC 3.0後の再送信

次世代放送規格のATSC 3.0への移行は自主的に行われる。ATSC 3.0には後方互換性が無いので、移行する局は既存のテレビに対応する為にATSC 1.0での放送も引き続き行う事が義務になる。その為には、移行する局は、ATSC 1.0での放送を続ける局とのチャンネル共有の契約する必要がある。しかし、アメリカではTV世帯の85%は地上波を多チャンネルサービスの再送信で見ているので、ATSC 3.0へ移行した局の再送信をいかに行うかが問題になる。基本的には、3.0での再送信義務は無く、チャンネル共有で放送される1.0が再送信義務になるが、ルール作りはこれからである。

FCCはそのルールの為のコメントの受付を始めた。ATSC 3.0の普及を進めているNAB、CTA等の団体は、規制はATSC 3.0の「ブートストラップ」と呼ばれる基本的なサービス部分だけが対象で、追加機能は規制対象にしない事を求めている。再送信を行うケーブルTV側もそれには合意しているが、ATSC 3.0への移行をした局の再送信を行う上でのさらに細かい要求を提示している。中小規模のケーブルTVの事業者を代表するAmerican Cable Association(ACA)は4つの規則を求めている。

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多チャンネルの減少は40.9万世帯

Leichtman Research Group(LRG)によると2017年第1四半期ではトップ11多チャンネルサービス事業者の合計ロスは40.9万世帯であった、ケーブルTV、DBS、それに電話事業者のビデオサービスは75.8万世帯を失ったが、DishのSling TV、それにAT&

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