ICOもモバイルTVを狙う
ICO Global Communicationsはその大規模衛星のG-1の打ち上げに成功した。G-1は高さ27フィートの衛星で、40フィート近いアンテナ、幅100フィートのソーラーパネルを持つ巨大な衛星で、元は音声とブロードバンド通信を提供する為に開発されてきた。しかし、Iridumを含め、衛星を使った音声とブロードバンドサービスを狙った事業は失敗した。ICO Globalは計画を変更し、この衛星を使い、DVB-SH(DBV-Satellite services to Handheld)ベースのモバイルTVサービスを提供する事になっている。まだ、ICOは衛星通信の穴を埋める為の1500~2000の地上トランスミッターを設置する必要があり、サービスが開始出来るのは2009年になる。QualcommのMediaFLOが大きな競合であるが、ICOは携帯電話の様な小さな画面ではなく、500 kbpsのチャンネルを生かし、より大きな画面を持つ自動車エンターテイメント市場を狙う。ICOの衛星は双方向機能を持ち、自動車向けにインタラクティブなナビゲーション機能を提供する事も出来る。ICO Global、それにWiMAX事業者のClearwireは共にクレイグ・マッコウの会社であり、ICOとClearwireはICOの衛星通信とCleawireのWiMAXを使ったハイブリッド・システムの開発も検討している。
Dish NetworkがDVB-SHをテスト
Dish Networkは衛星を使ったモバイルTVサービス向け技術のDVB-SHをテストする事を発表した。Dish Networkはこれは新技術のテストであり、モバイルTVサービスへの参入を決定した訳では無いと発表している。しかし、1月の700 MHz帯オークションで全米の多くをカバーする規模の6 MHz帯域を購入しており、これを地上トランスミッターに使う、モバイルTVシステムを検討していると噂になっている。
MediaFLOのチャンネル拡大予定
MediaFLOは今回の700 MHzオークションで5.5億ドルを投じ、ボストン、LA、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシスコ地域で6 MHz帯域を得たが、これを使い、これらの地域でのチャンネル数を拡大する事を発表した。現在、MediaFLOでは10のチャンネルが提供されている。MediaFLOはCBS Mobile、ESPN Mobile、Fox Mobile、MTV、NBC2GO、NBC News 2GO、Comedy Central、Nickelodeonの8つを提供し、MediaFLOを使う携帯事業者が2つのチャンネルを追加出来る。現在、VerizonがMediaFLOを使っており、VerizonはESPN Radioと2カ国語放送のMTV Tri3sを放送している。AT&TもMediaFLOを使ったサービスを開始予定で、AT&Tは2つのチャンネルの1つにSonyが提供する映画チャンネルを予定してる。AT&TによりMediaFLOのサービス提供開始は5月4日に決まっている。
MerdiaFLOは現在の6 MHz帯でも20のビデオ、10のラジオチャンネルをサポートする事は可能であり、今回のオークションで得た帯域は事業者に対して、さらにカスタムチャンネルのオプションを増やすことに使うと発表している。
別のニュースで、MediaFLOはNABにおいて、自動車向けのビデオシステムのデモを行った。デモでは後部座席向けに2つのビデオモニターを前部座席のヘッドレストに埋め込み、センターコンソールにチューナを配置したSUVが使われた。MediaFLOはこれはまだデモであり、製品化の予定はすぐには無いと発表している。
Verizonがビデオサービスを拡大
VerizonはMediaFLOが提供するテレビ放送に加え、通信回線を使ったオンデマンドのビデオをそのV CASTサービスで提供しているが、そのオンデマンド・ビデオのパートナーとしてMTV、CNN、NBC、Si TV、Conde Nast等が加わった事を発表した。また、Verizonは新しいオンデマンドのチャンネルとして「Election 08」を作り、CNN、ABC News、Comedy Central、MTV、NBC News、Onion News、PBS、Si TV、その他が提供する大統領選挙関連のニュース、分析、それにパロディーを提供する。
また、Verizonは新たにサンディエゴでもMediaFLOが提供するテレビ放送のサービスをスタートした事も発表した。
MobiTVの新技術
ケーブルTV事業者向けにビデオコンテンツの配信サービスを行っているMobiTVはユニキャストとマルチキャストを併用する新しい、Optimized Delivery Serverを発表した。ユニキャストは同じ番組の視聴者が多い場合、効率が悪くなるが、この技術では視聴者が50人以上になると、配信が自動的にユニキャストから、マルチキャストに変わる。また、マルチキャストで配信されている番組も広告だけをユニキャストにすることも出来、マルチキャストでも広告のパーソナライゼーションを可能にする。MobiTVはまた、チャンネル切り替えの時間を1秒以下に短縮した。
MobiTVはSprint、AT&T等の事業者向けに通信回線を使ったビデオサービスを提供し、400万の加入者を持っている。同社はまた、地上波放送を使ったATSCのM/H(Mobile/Handheld)規格にも積極的で、NABではATSCのモバイル放送規格に通信回線を使い、双方向性を持たせる技術をデモした。
モバイル放送の技術テストが完了
地上波放送局が作ったモバイル放送を推進するための団体、Open Mobile Video Alliance(OMVA)は3月と4月にラスベガスとサンフランシスコでATSCの規格候補の技術のテストを行った。ATSCのM/H(Mobile/Handheld)規格としてはSamsungとRohde & Schwartzの開発したA-VBS、HarrisとLGのMHP、それにThomsonとMironasが共同開発した技術が争っている。個々の技術の結果は発表されていないが、OMVAモバイル放送の電波は約40マイル届き、既存のTV放送への干渉は全くないと発表している。OMVCは今年の夏の終わりか、秋に実際のユーザを使ったマーケット・テストを行い、どの様なサービスとして提供するかを調査する。最初の時点では地上波放送と同じ番組を流すが、将来的にはケーブルTVネットワークのプログラミングを放送する、有料コンテンツを放送する等も検討されている。
英国でのHD化
英国のテレビ放送のデジタル化はFreeviewと呼ばれる、地上波の多チャンネル化で行われているが、HD放送向けの容量は無かった。英国の放送を含む、メディア管理当局のOfcomは新たに最大4つのHDチャンネルを提供可能にする計画を発表した。HD向けのチャンネルは現在のマルチプレックスBをマルチプレックス1、2、Aに割り当て直すことで行われる。マルチプレックスBはFreeveiwの開始時にBBCに割り当てられた。新たなマルチプレックスBの容量の一部はBBCに提供され、BBC HDチャンネルが放送される。その他のHDチャンネルは入札システムで、他の事業者に割り当てが決められる。OfcomはMPEG-4、DVB-T2を使い、容量を有効化し4つのHDチャンネルを提供するが、HD化が進んでいる中、4つのHDチャンネルしか放送されない事に対する批判もある。
BBC iPlayerの利用
BBCが昨年のクリスマスに開始した、インターネットベースのオンデマンド・サービス、iPlayerの月ベースの利用は25%増え、3月は1730万ストリームのダウンロードに達した(1月は1120万、2月は1400万)。週平均利用者数は2月の75万から、3月は110万に増えた。1日のダウンロード数は55万に達している。英国のブロードバンド事業者のTiscaliはiPlayerの普及により、帯域へのデマンドが急増しており、BBCがその設備投資に協力するべきだと発言している。
また別のニュースで、BBCはWii向けのiPlayerも発表した。
フランスのDTV計画
フランスのメディア管理当局のCSAはアナログ停波の仮的な計画を発表した。2009年の第1四半期にテストとして最初のアナログ停波が「小さな村」で行われる。2010年には10の地域でアナログ停波が行われ、有料放送のCanal+のアナログ送信も停波になる。2011年に残りの12地域でアナログが停波され、2011年末までに全てのアナログ放送が終了する。
SwisscomがモバイルTVを開始
Swisscomは同社がIPTVで提供しているBluewin TVのモバイルバージョンを5月13日より提供すると発表した。サービスはDVB-Hを使い、約20チャンネルが提供される。料金は月額で16 CHF(9.94ユーロ)、あるいは1日2 CHF。DVB-Hは現在、スイスの約44%に提供されている。DVB-Hの提供されていない地域では、UMTS/EDGEネットワークからVodafone Live!のポータルをアクセスし、Bluewin TV Mobileを見ることが出来る。