ニュース&アナリシス

テレビ視聴時間減少が加速

2014年からテレビ放送(タイムシフト含む)の視聴時間は減少をして来た。Nielsenの「Total Audience Report Q1 2007」(https://goo.gl/pFyWpW )によると、2017年第1四半期の月間平均視聴時間は141時間40分、2014年Q1の159時間7分から17時間以上減っている。視聴時間の減少に加えて、四半期毎の増減パターンに変化が出ている。

増減の大きなパターンは第1と第4四半期の視聴時間が多く、第2と第3四半期が低い事である。アメリカの放送シーズンは8月に開始するので、第3四半期の視聴時間は高く、気候的に家にいる時間が長い第1四半期にピークに達する。そして、天気が良くなり、放送シーズンが終了する第2四半期に大きくと視聴時間が減る。夏の間は再放送番組が主体だが、夏休みで学生が家にいる時間が増えるので、第3四半期は多少視聴時間が増えるのが過去のパターンであった。


Nielsen

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アンテナ視聴は増えるか?

アメリカのテレビ放送市場の大きな特徴は多チャンネルサービスが普及しており、地上波も多チャンネルサービスで再送信され、アンテナでの視聴が少ない事である。これには歴史的な背景がある。テレビ放送の開始時、放送局開設の申請が殺到し、放送局認可が一時ストップした。これを埋めたのがケーブルTVで、放送局のない地域に隣接地域からの放送を「輸入」した。放送局が開設された後でも、国土が広いアメリカでは電波が届かない地域も多く、放送の普及にはケーブルTVは不可欠であった。

その後、地上波の再送信だけでなく、HBO、ESPN等のケーブルTV専門のネットワークも誕生し、多チャンネルサービスに加入するテレビ世帯は増加を続け2009年に88%に達し、アンテナでのテレビ視聴者は少数派になる。ここ数年、多チャンネルサービスの加入率は減ってきたが、地上波アンテナ世帯は増えなかった。テレビを見るには多チャンネルサービスが当たり前であり、アンテナでテレビが見られると言う事を知らない人も少なくない。

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インターネット中立性問題

7月12日はネットワーク中立性規制を無くそうとしている共和党下のFCCに対して反対のメッセージを送る「Day of Action」であったが、これまでの様に大きな話題にはならなかった。1つの理由は、Netflix、Google等の影響力が強い会社の参加表明が遅かった事であった。この結果、まとまりに欠け、過去のBlackout Day(2012年の著作権規制改正のSOPA(Stop Online Piracy Act)とPIPA(Protect IP Act)への抗議)とInternet Slowdown Day(2014年のネットワーク中立性支持)の時の様な共通したテーマでの抗議は無く、それぞれがブログ、あるいはウェブサイトでネットワーク中立性規制の継続を求めただけであった。

また、通信事業者もインターネット中立性を支持するメッセージを出した事で、議論する相手がいなくなってしまった事もDay of Actionが盛り上がらなかった理由の1つである。AT&Tは既存のインターネット中立性規制を法廷で訴えている会社であるが、Day of Actionに参加した。正式に参加はしなかったが、ComcastとVerizonもインターネット中立性を支持する表明を当日に出している。

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TV番組のブランド認知度

テレビネットワークはNetflixがTV番組をストリーミングする事に対し、最初は新たな番組の再利用の方法として積極的に協力をした。しかし、Netflixで過去の番組を配信する事はネットワークのブランド認知度向上には大した貢献はしなく、Netflixのブランド力を高めてるだけである事に気づきはじめ、関係は冷え込む。これにより、テレビネットワークはNetflixへの番組提供を減らし始めるが、それにNetflixがオリジナル番組制作に力を入れる事となっている。

テレビネットワークとNetflixでは番組のブランド認知度はどれ程違うのであろうか? メディア向けのマーケティングとプロモーション会社のAnatomy Mediaは3100人のミレニアル世代(18~34歳)を対象に調査をした。調査ではTV番組がどのネットワーク、あるいはSVODサービスの物かであるが分かるかを調べた。

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多チャンネルサービスへの脅威はHulu

Netflixの普及により多チャンネルサービスの必要性が減り、コードカッティングが起きると恐れられていた。多チャンネルサービスは加入者を失っているが、その減少は劇的ではない。ComScoreが発表した「State of OTT」(https://goo.gl/c3Hp9q)によるとOTTを視聴している世帯における多チャンネルサービス加入率は66%である。全世帯における多チャンネルサービス加入率は80%であるので、OTT世帯における多チャンネルサービス加入率は低い。OTT利用者で多チャンネルサービスに加入していない34%の世帯の内訳は16%がストリーミング+地上波で、18%は完全にストリーミングであり、地上波との併用を少しだが上回っている。


ComScore

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OTT多チャンネルサービスでの地上波

6つのOTTベースの多チャンネルサービスが始まっているが、まだ4大ネットワークをすべての地域で同時配信しているサービスは存在しない。これまで同時配信が行われてきたのはネットワークが局を保有する地域に限られていた。加盟局は独自に制作、あるいは調達した番組も放送しており、その権利処理が問題になる。また、ネットワークと加盟局間の収益分配も問題であり。

CBSはAll Accessで同時配信を行っており、その場合は加盟局に対してその地域の加入者からの収入をシェアする事で契約をしている。CBSは同様な契約でOTT多チャンネルサービスでも加盟局の多くと同時配信の合意をしている。しかし、CBSが求める再送信契約は高価で、Sling TV、DirecTV NowはCBSと契約していない。しかし、CBSもOTT多チャンネルサービスで同時配信をする事に積極的になっており、最近、FuboTVと契約をした。FuboTVとの契約にはCBSだけでなく、CBSとTime Warner合弁の地上波ネットワークのThe CWも含まれており、早ければ夏の終わりまでには一部の地域でThe CW局をOTT多チャンネルサービスでも見る事が可能になる。これは、4大ネットワーク以外で最初のOTT多チャンネルサービスでの同時配信となる。

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ATSC 3.0後の再送信

次世代放送規格のATSC 3.0への移行は自主的に行われる。ATSC 3.0には後方互換性が無いので、移行する局は既存のテレビに対応する為にATSC 1.0での放送も引き続き行う事が義務になる。その為には、移行する局は、ATSC 1.0での放送を続ける局とのチャンネル共有の契約する必要がある。しかし、アメリカではTV世帯の85%は地上波を多チャンネルサービスの再送信で見ているので、ATSC 3.0へ移行した局の再送信をいかに行うかが問題になる。基本的には、3.0での再送信義務は無く、チャンネル共有で放送される1.0が再送信義務になるが、ルール作りはこれからである。

FCCはそのルールの為のコメントの受付を始めた。ATSC 3.0の普及を進めているNAB、CTA等の団体は、規制はATSC 3.0の「ブートストラップ」と呼ばれる基本的なサービス部分だけが対象で、追加機能は規制対象にしない事を求めている。再送信を行うケーブルTV側もそれには合意しているが、ATSC 3.0への移行をした局の再送信を行う上でのさらに細かい要求を提示している。中小規模のケーブルTVの事業者を代表するAmerican Cable Association(ACA)は4つの規則を求めている。

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WalMartの変身

小売店舗は危機にある。小売チェーンとしてはK-Martも持ち、著名なSearは2010年からの連続赤字で、損出は累計で$100億になっている。電子工作には欠かせなかったRadio Shackは最近に2回目の倒産をし、全店舗を閉鎖する事になる。家電店のHHGreggも最近、破綻した。大手小売チェーンの内、元気なのはWalMartだ。株価は$70で、2015年の時点より増えている。

小売店舗が駄目なっている最大の原因はEコマースで、特にAmazonである。WalMartは、Amazonと戦ってきた。AmazonがDVD販売でWalMartを抜き、さらに2006年にTVODを始めた事に対して、WalMartは2010年にVuduを買収した。Amazonがオンライン靴屋のZapposを買えば、WalMartはShoebuyを買い、Amazonへ対抗してきた。WalMartは店舗販売がベースだが、Eコマースも成功させている。WalMartはEコマースと店舗の売上を分けて発表していないが、推定ではEコマースではAmazonに続く2位の会社になっている。

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ニュースネットワークの視聴が伸びる

多チャンネルサービスのニュース専門ネットワークはトランプ大統領に感謝をしなければならない。Pew Research CenterがNielsenのデータを使って行った分析では、Fox News、CNN、それにMSNBCの合計プライムタイム視聴者は2016年で480万人で、前年から55%の成長をした。収入も当然に増え、3ネットワークの合計収入は$50億で、前年から19%増えた。トランプ大統領は就任後も話題を作り続け、ニュースネットワークの躍進は2017年も続いている。5月の最後の週(22日~28日)ではFox Newsの平均視聴者数は230万で、NBAのプレーオフを放送していたTNT(200万人)を抜いてい1位になった。3位は160万人のMSNBCで、TBSとESPNが120万人で4位タイであった。5位はCNNとHistoryがそれぞれ100万人で並び、多チャンネル向けネットワークのトップ5(7ネットワーク)中、3つはニュースネットワークであった。 続きを読む

NAB 2017

National Association of Broadcasters(NAB)によると、今年のNABへの登録者は103,443人で、2016年の参加者数の102,513人を上回った。海外からの参加者数は26,714人であった。出展者数は1,806社であった。

ここ数年間の動きはIP化であったが、今年のNABはその本格的な告げていた。それは展示の製品/サービスだけの話ではない。OTTサービスの利用者は60%を超え、多チャンネルサービスもOTT化している。NABでは、CBSに続き、ABCもOTT多チャンネルサービスでほぼ全地域で地上波の同時配信を可能にした事を発表した。

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