ニュース&アナリシス

FCCがATSC 3.0を承認

FCCは次世代放送規格としてATSC 3.0を承認した。これにより、放送局はIPベースで、4K、モバイル放送、ターゲット広告等の新しい機能を可能にするATSC 3.0での放送を開始する事が出来る。ATSC 3.0は低迷している地上波放送を立ち直らせる技術として期待されており、放送事業者のSinclair、放送事業者コンソーシアムのPearl Group等の放送局会社が導入を進めている。Sinclairはその子会社のOne Mediaを含めた全局でATSC 3.0での放送を2018年から開始する。また、地上波放送局代表のNational Association of Broadcaster(NAB)と家電メーカー代表のConsumer Technology Association(CTA)はFCCからATSC 3.0のテスト放送を行う許可を得、Tribune社が持つシカゴのWJW(Fox加盟局)でテスト放送の開始をする。

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テレビ放送の視聴時間

2017年第2四半期の月間平テレビ視聴時間(ライブ+タイムシフト)は第1四半期から13時間9分減り、128時間21分であった。秋の新番組が終る第2四半期は毎年、視聴時間が減る時である。通常では第1四半期が最も視聴時間が長い時期であるが、今年は第4四半期から視聴時間は増えず、テレビ視聴時間の減少傾向が明らかになっている。


Nielsen

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テレビネットワークとNetflixの関係

Netflixは最初は郵送DVDレンタルサービスの一部としてストリーミングを始めた。ストリーミングにより、DVDが郵送中でも映画を見る事が出来る。しかし、映画のライセンスは高価で配信が出来るタイトルは限られていた。Netflixは古いTVドラマに目を付け、その配信交渉をした。テレビネットワークに取り、古い番組は眠っている資産であり、喜んでNetflixと契約した。

しかし、Netflixがポピュラーになる事でブランドの問題が生まれる。視聴者からすれば、見ているのはNetflixであり、その番組がABCが制作したものでもでも、NBC制作でも違いは無い。テレビネットワークは自分のコンテンツでNetflixが有名になって行く事に対して不満を持ち始め、自社のポータル、あるいはHuluで配信する等、Netflixとの契約を減らしていく。これに対して、Netflixはオリジナル番組の制作を開始する。Netflixは配信事業者ではなく、コンテンツ事業者になり始め、TVネットワークとの競合になっていく。その対抗として、TVネットワークもSVODサービスを始め、すでにHBO、Showtime、Starz、CBS等が独自のSVODを提供している。さらに、ABC、FoxもSVOD化の計画があり、Netflixとの配信契約を終了しようとしている。

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Binge Watchingの動向

先月号で18~29歳の61%はテレビ視聴の媒体としてインターネットを主体にしていると書いた。OTT視聴での特徴の1つにBinge Watching(まとめ見)がある。OTTでの視聴と共にBinge Watchingも増えている。

YouGovはテレビ番組をNetflixのようにまとめて公開するのと、既存のテレビ放送のように1週間毎に公開するどちらを好むかのアンケート調査をした。18~34歳ではまとめ公開を好む人達は68%であるのに対して、1週間毎を好むのは17%で、圧倒的にBinge Watch派であった。35歳から54歳でもまとめての公開を好むのは52%で、週毎がの32%を上回っている。55歳以上では週毎が44%で、まとめ公開の27%を上回っている。全体ではまとめての公開を好む人が45%、週毎の公開を好む人は32%であった。

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ミレニアル世代のスポーツ視聴

ミレニアル世代のスポーツ視聴が減っていると言われている。しかし、McKinsey & Companyは30代以下の世代のスポーツ視聴は減っているのでなく、視聴に仕方が変化しているとの分析を発表した(https://goo.gl/d5CnJC)。テレビでのスポーツ視聴は減っている。Nielsenの統計ではESPNの視聴は17%落ちている。NBC、Fox、CBSのスポーツ中継はそれぞれ7%、8%、それに6%と減っている。しかし、地上波ネットワーク全体の視聴率は14%、多チャンネル向けネットワークは9%減っているので、特にスポーツの視聴が減っているのではない。

ミレニアル世代のNFL試合の視聴率は昨年から9%減っている。これはジェネレーションX(30代後半から50歳)の6%減少より多い。しかし、面白いことにミレニアル世代のNFL試合の視聴者数自体は増えている(世代人口の65%から67%への増加)。視聴する人は増えているが、視聴率が減っているには、一人あたりが見る試合数が8%減り、さらに1試合あたりの視聴時間が1時間12分に減った為だとMcKinseyは分析している。これまでのスポーツファンの様に好きなチームの試合は可能なだけ見、それも試合の最初から最後まで見続けるのでは無くなっている。見たい試合だけを見、それも部分的にしか見ていない。

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RokuのIPO

Rokuが9月28日にIPOを行った。1570万株が1株$14で売られ、Rokuは$2.2億の資金を得た。Rokuの株価は上昇し、初日は68%の増加をして$23.50で終了した。初日の増加としては2017年の最高記録となった。

2007年にNetflixは専用のプレーヤを開発する目的で、DVRのパイオニアとして知られるReplayTVの創立者であるアンソニー・ウッドをVPとして雇った。しかし、その後Netflixはハードウェア事業には参加しない事を決め、2008年に$600万ドルの資金を渡し、ウッド氏に部門をスピンオフさせた。これはアンソニー・ウッドに取り、これは6つ目のベンチャーであった事から日本語の「六」を社名にした。Rokuの最初のストリーミング・プレーヤのRoku DVPは2008年5月に発表された。

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なぜTV視聴者は増えているのか

調査会社のKagan社によると、OTT多チャンネルサービスの増加分を含まない既存多チャンネルサービスの加入者は第2四半期に97.6万世帯減った。Nielsenの視聴者統計では第1四半期のテレビ放送の月間視聴時間は昨年同期から17時間減っている。テレビ離れが進んでいる様だが、9月に始まった2017/2018年のTVシーズンの視聴世帯数は昨年から1%増え、1.196億世帯となっている。テレビ離れが進んでいるのに、テレビ視聴者はなぜ増えているのか?

テレビ視聴世帯は2013年期に前期の1.147億から減り、1.142億になったが、2014年期には1.158億に増え、その後も増え続けている。しかし、テレビ受像機の販売台数には特に変化は無く、過去6年の年間販売台数は4000万台前後で、2015年からは4000万台を下回り始めている。テレビ受像機の販売台数が減っても、視聴世帯は増えている。

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18から29歳の61%はOTTが主体

テレビ視聴媒体はOTT(インターネット)にシフトをしているが、それは若い年齢層主体であり、視聴媒体は二極化している。Pew Research Centerが行った調査によるとアメリカの成人(18歳以上)の59%は視聴媒体は多チャンネルサービス主体と答え、ストリーミングは28%、地上波アンテナは9%となっている。年齢層を18から29歳に限定すると、ストリーミングが61%、多チャンネルサービスが31%、地上波アンテナが5%となり、ストリーミングと多チャンネルサービスが逆転している。


Pew Research Center

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TVネットワークのOTT化

主要テレビネットワークの中で、もっも早くSVODサービスを開始し、放送局、あるいは多チャンネルサービス事業者のバイパスを始めたのはCBSである。同社はCBS All AccessでCBSライブラリーのオンデマンド配信に加え、同時配信も開始した。

プレミアムチャンネルのShowtimeのOTT版もあり、さらにCBSはOTTでのニュース専門チャンネルのCBS Newsも始めている。CBS NewsはOTT専用であり、多チャンネルサービスでの放送は無い。CBSの重要なチャンネルはCBSとShowtimeの2つであり、大きな基本チャンネルは無いので、多チャンネルサービス事業者に気兼ねする必要が無い。

CBS Newsに続き、CBSはスポーツチャンネルのOTT化も予定している。CBSには多チャンネルサービスの基本チャンネルのCBS Sportsがあるが、その地位はABCのESPN、それにFox Sportsと比べると低い。その分CBS Sportsとの共食いの心配は少なく、CBSのOTTスポーツネットワークは積極的な動きが出来る。

CBSはさらにCBS All Accessを世界的に提供していく事も発表した。カナダで2018年前半にサービスを開始し、世界展開を進めていく。CBS All AccessとShowtimeの2つのサービスへの合計加入者は年末には400万人に達する予定だ。

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最初に見るのはまだテレビ

Hub Researchが発表した調査結果「Decoding the Default」(http://hubresearchllc.com/reports/#)によるとブロードバンド世帯の86%は多チャンネルサービスに加入しており、その53%はDVRを使っている。多チャンネルサービスに加入している86%の世帯中、65%はSVODに加入しており、38%は2つ以上のSVODに加入している。複数のSVOD利用者は昨年から25%増えた。

SVODで利用者が最も多いのはNetflixで61%(昨年は57%)であった。2位はAmazon Prime Videoで36%(昨年24%)、3位はHuluで22%(13%)であった。3つのサービスに加入している世帯は6%で昨年の3%から倍増した。

最も重要なサービスは何であろうか? どれか1つだけしかサービス利用出来ないとしたら、どれを選ぶかの問ではテレビ放送が36%でトップであった。2位はNetflix、3位はDVRで利用者率と同じの順であるが、利用者率では22%と低いHuluが4位に入り、Amazon Prime Videoは多チャンネルサービスのVODより低かった。Huluの加入者は少ないが、Huluを頻繁に使っているのに対して、Amazon Prime Videoはやはり、Prime会員の「おまけ」と言う位置なのであろう。

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