減少が続くインターネットビデオ視聴

インターネットビデオの視聴が減少し始めた事を2010年5月号で記事にしたが、この動きは一時的な物では無く、その後も続いている。

ComScoreが発表している月間のインターネットビデオのストリーム本数では2009年の332.4億本をピークに減少をしており、2010年4月では303.2億本に減っている。ユニーク視聴者数は1.7億から1.8億の間で、減少はしていないが、増えてもいない。

ストリーム数が最も多いサイトは、依然としてGoolge系(YouTube含む)で、4月で43.2%のシェアがあった。2位はHuluで、3.2%のシェアであった。3月から4月で、Googleのシェアは増え、Huluは下がっている。

インターネットビデオ視聴本数シェア
(合計本数: 3月= 31,241,101K; 4月= 30,317,131K
サイト 3 4
Google系 41.8% 43.2%
Hulu 3.4% 3.2%
Microsoft 2.1% 2.1%
Viacom Digital 1.2% 1.3%
Yahoo! 1.5% 1.2%
Vevo 1.1% 1.1%
Fox Interactive Media 1.0% 1.1%
CBS Interactive 1.5% 1.0%
Turner Network 1.0% 1.0%
AOL 0.9% 0.8%

ComScore

Nielsenが四半期ベースで報告している「Three Screen Report」によると、インターネットでビデオを視聴している人は2009年4Qでは月平均で1.38億人であったのが、2010年1Qでは1.34億人に減っている。PCでインターネットを使っている人は減っておらず、1.91億人で、横ばいである。

インターネットでのビデオ視聴が減っているのは、全体的なビデオ視聴が減っているからではない。TVを家庭で見ている人の数は横ばいだが、TVをタイムシフトして見ている人たちは2009年4Qの9077万人から9460万人へと増え、モバイル電話でビデオを視聴している人は1758万人から2028万人に増えている。

月間平均ビデオ視聴者(1000人)
2009年3Q 2009年4Q 2010年1Q
家庭でのTV視聴 283,508 286,945 286,225
タイムシフトTV視聴 85,833 90,768 94,599
PCでインターネット利用 190,481 190,885 191,301
インターネットビデオ視聴 138,162 138,135 134,501
モバイル電話利用 237,411 228,048 229,495
モバイル電話でビデオ視聴 15,744 17,583 20,284

The Nielsen Company

インターネットビデオの月間平均視聴時間は2009年4Qの3時間22分から、2010年1Qでは3時間10分と減っている。PCでインターネットを使っている時間も減っており、2009年4Qは26時間32分であったのが、2010年1Qでは25時間26分に減っている。

家庭でのTVの視聴時間は153時間47分から158時間25分へと増えている。タイムシフトの視聴は9時間13分から、9時間36分へと増えている。モバイル電話でのビデオ視聴者の数は増えているが、平均視聴時間は3時間37分のままである。

月間平均ビデオ視聴時間(時:分)
2009年3Q 2009年4Q 2010年1Q
家庭でのTV視聴 140:20 153:47 158:25
タイムシフトTV視聴 7:54 9:13 9:36
PCでインターネット利用 27:32 26:32 25:26
インターネットビデオ視聴 3:24 3:22 3:10
モバイル電話でビデオ視聴 3:15 3:37 3:37

The Nielsen Company

TVとインターネットの同時利用は、インターネットでの ビデオ視聴と共に新しいトレンドとして、増えていく事が予想されていた。しかし、同時利用の時間は増えているが、同時利用者は2009年3月から2010年4月では減少をしている。

TVとインターネットを同時利用
2009年3 2009年9 2010年3
TVとインターネットを同時利用する人の率 61.5% 58.7% 58.7%
TVとインターネットを同時利用する人の数(1000人) 138,002 133,389 133,907
TVとインターネットを同時利用する時間 3:21 3:11 3:41
TV視聴時間内でインターネットを利用する率 2.6% 3.1% 3.4%
インターネット利用内でTVを視聴する率 29.6% 30.1% 33.9%

The Nielsen Company

これらの統計からでは、インターネットビデオの視聴が減っている理由は分からない。しかし、ビデオを見る余裕のある時間が増えない限り、TVでの視聴が減らないと、インターネットビデオの視聴は継続して増えていくことは出来ない。タイムシフト(DVR)の利用が増えれば、見逃した番組を見るためにインターネットを使う必要度は減る。また、スマートフォンを使ってのビデオ視聴が増えている事も、インターネットでのビデオ視聴の利用者の減少に原因しているであろう。

インターネットビデオの普及により、多チャンネルサービスを止める視聴者が増えると予想されたが、その気配は見えていない。Nielsenの推定では約400万世帯が、インターネットビデオに頼り、多チャンネルサービスに加入していないが、これら世帯は多チャンネルサービスを止めたのではなく、最初から加入していない世帯である。これらの世帯の多くはTV放送を見ていないが、かといって、インターネットビデオの視聴が多い事もなく、平均よりビデオ視聴が少ない世帯である。

Nielsenは、TVはスイッチを入れたら、しばらくの間は見続けるのに対して、インターネットビデオの視聴の特徴は、見始めても、番組を完了させる人は少ない事だと分析している。



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投稿日 2010/07/02 ・ 4:27 PM by tedw · パーマリンク
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