スマートTV

AppleがスマートTVを2012年に発売する噂が広まっている。調査会社のStrategy Analyticsによると、すでにApple TVはストリーミング・メディア向けSTB 市場では33%のシェアがある。同社によると、2011年におけるこれら製品の出荷台数は、全世界で1200万台で、その3分の1にあたる、400万台をAppleは出荷している。Strategy Analyticsは他のSTBのシェアを発表していないので、比較出来ないが、Apple TVがこの市場ではトップであろう。

しかし、ストリーミングメディアをTVで見るために使われているデバイス全体で見た場合、Apple TVがトップではない。コンピュータを除いたコネクテッドTVのデバイスとして使われているデバイスのトップは、ゲームコンソールである。特に、Xbox 360が多く使われており、Microsoftがこの市場でのトップシェアの会社となる。MicrosoftはXbox 360をオンラインビデオの視聴プラットフォームにしようとしており、最近のVerizonとの協力を含め、パートナーを増やしている。Nielsenが発表した統計によると、今年の10月時点で、Xbox 360が使われている時間の内、14%がストリーミングビデオの視聴、5%が購入したビデオコンテンツの視聴となっている。さらに9%は、DVDの視聴であり、Xbox 360の利用時間の30%近くはビデオの視聴となる。

AppleがスマートTVを出荷した場合、スマートフォンと同様にGoogleが大きな競合になる。Google TVの1.0は大きな失敗であった。だが、Google会長のエリック・シュミッド氏は、「次の夏には販売店にあるテレビの殆どがGoogle TV登載となる」発言している。Google TV 2.0は、大きな進歩を見せているが、まだ、未完成である。この夏までにGoogle TV搭載率が飛躍的に増える可能性は低いが、Google TVはまだ成功する大きな可能性を持っている。

TVのインターネット接続機能が今後、標準的になることは疑いない。現在、殆どのコネクテッドTVは、メーカー独自のプラットフォームであるか、Yahoo TVをベースにしている。独自のプラットフォームの問題は、アプリケーションを開発する手間である。アプリケーションが少なければ、コネクテッドTVの魅了は無いが、TVメーカーにはアプリを開発している手間がない。Yahoo TVはこの市場に早く参入しリードを取ったが、その後は停滞をしている。

Google TV 2.0では、サードパーティーのアプリケーションをサポートしている。スマートフォンからポートしたアプリケーションには、使いにくい物もあるが、豊富なアプリケーションが出てくる事は大きな魅力である。Google TVは色々と出来すぎ、必要以上に複雑になっているが、これはGoogle TVより、そのインプレメンテーションの問題である。Google TVはカスタマイズが可能であり、ベンダーは異なる機能、インタフェースを提供する事が出来る。TVベンダーには、この差別化を図れる機能は大きな魅力である。CESでは、すでにGoogle TVを登載したTVとBlu-rayプレーヤを製品化しているSonyに加え、LG、Samsung、VizioがGoogle TVを採用した製品を公開する。VLGは自社のチップセットのL9を使った製品になるが、他の製品はMarvell社の開発したARMベースのSoC、ARMADA 1500 SoCが採用される。第1世代の製品ではIntelのAtom 4100が採用されていたが、IntelはスマートTV向けプロセッサーからの撤退をしている。

操作性がGoogle TVの最大の欠点である。操作性は、1.0から2.0で大きくと進歩したが、コンピュータのインタフェースがベースになっている事が基本的な問題である。操作には、タッチパッドと十字キーを使う事が出来る。ソファに腰掛け、画面から数メートル離れた状態でタッチパッドを使うのは楽ではない。その為に十字キーもあるが、操作上、タッチパッドでマウスを動かした方が良い場合もある。両方をサポートする画面(アプリ)も、片方しかサポートしない画面(アプリ)もあり、とまどうだけでなく、どちらもスマートなインタフェースでは無いことが問題である。

大手ではないが、Rokuは累計で300万台以上のストリーミングメディアプレーヤを売っている。Apple TVも売り上げは世界規模であるのに対して、Rokuの販売はアメリカだけなので、アメリカ国内に関してはRokuがApple TVを上回っている。Rokuの魅力は安く(最も安いモデルは$50)、シンプルな事である。Rokuは十字キーでナビゲーションに対応をしている。しかし、Rokuのアプリケーション(チャンネル)は400近くなっており、シンプルなナビゲーションでは、コンテンツが見つけにくくなっている。シンプルで、かつ高度なナビゲーションを提供する事がこの市場での大きな課題であり、これを解決出来るだけで、AppleのスマートTVが大きな成功になる可能性がある。

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