スマートTVの動向
スマート(あるいはコネクテッド)TVが今後のトレンドであることは明らかある。The Diffusion Groupが行った調査では、HDTVを6ヶ月以内に購入する予定の世帯の78%はスマートTVを検討しており、3D対応TVの50%より高い。しかし、どの様な形でスマートTVが提供されていくのかはまだ不明瞭であり、CESの展示を見てもその答えは見えてこない。
ストリーミングメディアの外付けデバイスとしては、アメリカ国内では大きなシェアがあるRokuは、CESの前にMHLのポートを使ったスティック型のプレーヤを発表した。この製品の良いことは、通常のSTBでは不可欠の配線が不要な事だ。電力供給の出来るMHLポートを使う事で、全く配線無いしで、取り付け簡単なスマートTVを提供出来る。TVベンダーはTV本体を変えることなく、コネクテッド機能を加える事が出来る。このコンセプトはコネクテッドTVのアップグレードも容易にする。コネクテッドTVは変化を続けており、来年にはどの様な機能が求められるかは分からない。プラグ&プレイの低コストのデバイスであれば、常に新しい機能をTVに加えていく事が出来る。Roku以外の会社もスティック型のOTT-Vプレーヤを発表している。その1つのAlways Innovatingの製品は後記する。TVのハードウェアをアップグレードするコンセプトは、Samsungも採用をしている。同社が発表したスマートTVは専用のポートを持ち、ハードウェアのアップグレードをする事が可能になっている。
ホワイトスペース網がスタート
ノースカロライナのウィルミントン市で、ホワイトスペース(TV放送で使っていないチャンネル帯域)を使ったブロードバンドサービスが正式にスタートした。現在、FCCが認証しているホワイトスペースの通信機はKTS Wirelessの製品だけであり、これが使われている。空いているチャンネルを探すのに使われるデータベースはSpectrum Bridgeが提供している。ホワイトスペースの通信機は、TV帯域(174~216 MHzと470~698 MHz)、それにライセンス無しで使える900 MHz帯を使うことが出来、1.5~3.0 Mbpsでの通信を可能にする。ウィルミントン市は、その公園で無料のブロードバンドサービスを提供する以外、このネットワークを交通カメラ、環境監視等に使う。
FCCは他のホワイトスペースのテストを許可するかも検討中である。ホワイトスペースのテストを申請している組織にはウィスコンシン大学(マディソン市)、Spectrum Bridge(テキサス州アーバインとマリーランド州ポトマック、Google(カリフォルニア州マウンテンビュー)が含まれる。
タブレット利用者が急増加
昨年のサンタクロースのプレゼントの多くはタブレットであった。Pew Internet & American Life Projectの調査結果によると、2011年12月中旬から2012年1月中旬の間に、アメリカの成人でタブレットを持っている人は、10%から19%に増えた。Eリーダーのプレゼントも多かったようで、同じ期間の所有率は18%から29%に増えた。この期間中に最もタブレットの利用者が増えたのは18~29歳で、保有率は10%から24%になった。30~49歳の保有率は14%から27%に増えた。また、タブレットの保有率が最も多い人種はラテン系とアフリカン・アメリカンで、1月中旬の時点で、21%で、白人の利用者率は19%であった。ラテン系の保有率は11月の時点では7%で、アフリカン・アメリカンと白人の4%を大きくと上回っていたが、その差は今回の調査ではかなり少なくなった。
タブレットの利用では男女差は殆ど無いが、Eリーダーでは女性の利用者が多い。女性の利用者率は12月から1月の間に11%から21%増えたのに対して、男性の利用者率は9%から16%に増えた。タブレットもEリーダーも所得と学歴が上の方が利用者率は増えるが、その差はEリーダーの方が少ない。タブレットでは、世帯所得が$30万~50万の人と72万以上人では利用者率に20%の差があるのに対して、Eリーダーの差は12%であった。
Netflixに対する集団訴訟
Netflixの株主は、同社に対する集団訴訟を起こした。訴訟は、Netflixの値上げとそのPRの失敗により、株価が下がった事に対してではなく、値上げをしなければならなくなっていたことを隠していた事に対して行われた。訴えによると、ストリーミングの利用が急増した事で、Netflixがコンテンツ事業者と交わしていた契約の更新時期が早まっていた。これにり、サービスの値上げ(切り離し)せずに、利益を出していくことが不可能である事を会社は分かっていたが、10月に値上げを行うまで、そのことを株主に伝えていなかった。訴訟が求めている賠償金額は公開されていない。
俳優団体のSAGとAFTRAが合併
俳優の労働団体には映画系のSAG(Screen Actors Guild)とTV・ラジオ系のAFTRA(American Federation or Radio and Television Artists)があり、昨年6月から合併の交渉をしてきたが、1月に正式な合併計画に両者が合意した。SAG、AFTRAはコンテンツ事業者との俳優の労働状況、賃金、それにインターネットでの配信を含めた、再利用時の料金等の交渉をしており、これまでも協力をしてきた。しかし、合併をする事で、その力をさらに強める事が出来る。SAGのメンバー数は125,000人、AFTRAは70,000人であるが、両方に加入している俳優も多く、合併した際のメンバー数は不明である。
アメリカのオンライン広告視聴規模
UltraVioletの動向
ビデオコンテンツの売り上げの減少は続いている。Digital Entertainment Groupの発表では、2011年におけるDVD、Blu-ray、それにEST(Electronic Sell Through)の販売額は2011年から12%減少し、95億ドルであった。レンタル(ストリーミング、VOD含め)は増えているが、コンテンツ販売の減少は、コンテンツ事業者に取り、減収を意味する。映画会社は、UltraVioletがコンテンツの購入を活性化する事に大きな期待をしている。UltraVioletを関しているDECEがCESで行った発表では、UltraViolet対応のBlu-rayタイトルは19になり、登録者は3ヶ月で750,000を越えた。DECEは、2012年には100以上のUltraViolet対応の映画が発売になると予想している。また、AmazonとSamsungがUltraVioletへのサポートを発表した。Amazonは、UltraViolet対応の映画の電子販売を行い、SamsungはUltraViolet対応のBlu-rayプレーヤを出荷する。しかし、これまでDECEに参加してきた、Netflixは脱退をした。
MicrosoftがOTT-V計画から撤退
MicrosoftはそのXbox 360向けに独自のサブスクリプション型のOTT-Vサービスを計画し、コンテンツ事業者との交渉を過去1年近く続けてきたが、Reutersによると、同社はこの計画から撤退をした。詳細は発表されていないが、Microsoftが計画していたサービスは、Netflixでは提供されていない最近の映画も含めた物であったが、その為に要求されるコンテンツ契約料は高価すぎ、計画から撤退をした。
Microsoftの発表ではXbox 360のアメリカにおける設置台数は6600万台で、その内、180万台がKinectが接続されている。Xbox Liveの加入者は4000万人となり、昨年から33%の増加をしている。
VerizonとComcastの協力が開始
VerizonとComcastはお互いのサービスの販売をシアトルとポートランド(オレゴン州)で開始した。これは、VerizonとケーブルTV事業者3社(Comcast、Time Warner Cable、Bright House)が12月に締結した契約に基づいた物で、ComcastはVerizonのモバイルサービスを販売し、VerizonはComcastのXfinityサービスを販売する。シアトルとポートランドで開始されたプロモーションでは、VerizonとXfinityのバンドルサービスへの加入者に対して、$100から$300のVisaギフトカードが提供されている。これまで、Comcast等はClearwireのWiMaxを売り、VerizonはDirecTVの衛星放送を販売してきた。この契約の一環として、VerizonはケーブルTV事業者が持つAWS帯域のライセンスを購入する。
Verizonは、別途Cox Communicationsとも同様な契約をしており、このケーブルTV事業者との協力は競合のAT&TとSprintに大きなショックを与えており、その対策をしてAT&T、それにSprintはそれぞれDish Networkの買収を検討しているとBloomberg等は報道している。Dishは、ケーブルTVに競合する多チャンネルサービスを提供しているだけでなく、無線帯域のライセンスも持っている。その他、AT&TはMetroPCS、Leap Wireless、Clearwire等の買収も検討していると報じられている。さらに、DishはT-Mobileの買収を狙っているとの噂もあり、AT&T、T-Mobile、Dishの3社連合の可能性も出ている。
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